タイムカプセルとあの頃の答え合わせ

小学校の同窓会に行った。半分くらいの人は中学も一緒だし、もう小学生の頃のことなんて、時間が経ちすぎて気まずいかもなあなんて思っていたけれど、すごくすごく楽しくて、心が満たされる時間だった。

あの頃より、鉄棒やブランコは背が低くなって、グラウンドは狭くなった小学校で集合した。あれからもう8年もたったのか。成人とはいえ、いつまでも子供気分のわたしは、何も変わっていないつもりが、色々なことを思い出して、確かに変わったし、時間は流れているのだと感じた。懐かしさだけでは説明できない、いろんな感情が渦巻いていた。ちょっと切なくなった。

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12歳の時の、タイムカプセルを開けた。黒歴史すぎて、痛くて痛くて恥ずかしくて、自分でさえ見たくないんだけど、みんなで爆笑しながら見せ合った。いろんな人から集めた、20歳へのわたしの手紙や、黒歴史のプリクラ、当時持ち帰るのがめんどくさくなってタイムカプセルの中に閉まった返却されたドリル、裏にコメントが入った写真などが詰まっていた。20歳のわたしへの、たくさんの友達、そして両親と兄弟からの手紙も入っていた。泣いちゃうからまだ読めない。

わたしともう一人しかいなかった保健係の張り紙に、理想の面子として某ジャニーズの面々を勝手にメンバーとして任命し、さらに 嵐 VS TOKIO というわけのわからないバトルが書かれた、黒歴史の塊が出てきた…辛すぎる…

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さらに、数え切れない友達の封筒に、「➰」や「だお」「じゃねん」など、ぶちのめしたいギャル語的なメッセージを過去の自分が書いていて、内容も暗黒歴史で、消滅しようと思った。自分のこと昔から何にも変わっていないと思っていたけれどちゃんと変わっていて安心したよ。

親友の封筒は、封の上に「封」「印」「絆」などのシール(「封」はしっかり字が違う)で封印されていて、Hey!Say!7時代のクリアファイルや、ポポロ、Myojoなどが入っていて、さらに「竜也」「裕典」という誰が作ったのかわからない推しのシールも貼られていて盛りだくさんだった。当時彼女はKAT-TUN上田竜也山本裕典のことが大好きで、タイムカプセルの中身も彼らへの愛というか執念が宿っていて、外身には、みんなからの「趣味が悪いと思う」というメッセージが詰まっていて、相変わらずだった。

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自分が書いた、12歳の抱負?的な一文字は、「新」だった。8年前のわたしが拾った、桜が2つ、入っていた。もう茶色いパリパリになってしまっていたけれど、美しい桜を取っておこうと思った、あの日の自分を愛しく思う。友達の封筒には、12歳の時の髪の毛が入っていてウケた。

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そのあとの飲み会は、久しぶりでみんな気まずくて、最初はあまり話せなかったんだけど、お酒を飲んだら、楽しく、あの頃みたいに、何の気負いもなく話せて、初めてお酒の力って偉大だなと思った。お酒って、離れてしまった誰かと何かを、もう一度近付けたり、結びつけたりするためにあるのかもしれない。楽しくなっちゃって、3次会までほぼ全員で行った。

 

小学1年生から高校まで一緒の男友達に、実は小学6年生の時好きだったと言われた。お互い背が高くて、だからだと思っていたんだけど、集合写真を撮るときはいつも、好きだから隣を陣取っていたんだよと言われて、ときめいてしまった。人生で一番不細工だった時代なのに、ありがとうよ…。当時、今からしても信じられないくらい可愛くなかったのに「あなたは昔からずっと優しいね」と言われ、ただそれだけだけで、数人から好き・気になっていた票をもらえてすごく嬉しかった。友達は、林間学校とかの写真を、一覧を見て番号を書いて買うときに、間違えたふりして好きな子の写真を買っていたと言っていて、そうしたら別の子も「わたしも実は買ってたー!」とどんどん暴露しだして、全員丸ごと抱きしめたかった。

みんなで、もう時効だから!と言って、お酒の力で、小学生の時に好きだった人を発表した。その相手がその場にいる人だったら、お互いに握手をした。めちゃくちゃ身を削って恥ずかしかったけど、楽しかった。すっかり忘れていたけど、歩道橋の上で、当時好きだった男の子に告白されたことを思い出した。すると、ある男の子が、好きな女の子と帰っていた時に、同じ歩道橋の上から「◯◯ちゃんー!好きだー!」と叫んだことがあると暴露してきて面白かった。思い出深い歩道橋。

わたしは、好きな子の名前を消しゴムに書いていた。なんとそれを本人もいるというのに暴露する羽目になってしまった。その子にも気になっていたと言われた。両片思いだったんだと、12年たって初めて知った。恥ずかしくてちょっと切ない。

どうしてその時言ってくれなかったのー!って言ったけど、でもその時には言い合えないから小学生で、自分が好きだったら十分で、言っていたらきっと何かは変わっていて、こう笑って言い合えるまでに12年かかって、それはもうあの頃に戻れないということだと思った。友達も、当時好きだった男の子と実は両片思いだったことが判明して、「その時言ってよ!」って言ったら「だってあの時は、好きって気持ちがどういうのかわからなかったんだもんー!」って言ってて、めちゃくちゃ可愛かった。

 

タイムカプセルの中身とか、書いてあることとか、中二病真っ盛りすぎてもう恥ずかしすぎて見たくないもないのだが、小学 6年生、卒業式の前日、眠れない暗闇の中で、「大人たちは、みんなわたしが小学生だからって、何にも考えていない子供みたいに接するけれど、嬉しいことも悲しいこともあって、いろんなことを考えて傷ついたり傷つけたりしながら、毎日一生懸命生きているということ、大人が思い描いてるような何にも考えていない子供なんていないということ、大人になるまで絶対に覚えていよう」と、幼い日にひとり静かに決意したことを覚えている。ここで育ってよかったと思った。