テスト勉強にやる気が出ない日々の日記

3/22(金)

テスト前日。友達と話して、語学に対するやる気が高まっていたはずなのに、テスト勉強に向かう気持ちがまったく湧き上がってこない。

学校に行って、ベルイマンについての授業を受けて、去年公開された、『Amateurs』というスウェーデン映画を見た。スーパー誘致のために田舎町のPR動画を撮ろうと、街の職員や地元の高校生が奮闘するも、それぞれの現実にぶつかる話。コメディかと思ったら、だんだん幻想の下の本物のスウェーデンが顔を出してきて、ヒリヒリした痛みにやられてしまった。

アジアの貧しい地域のドキュメンタリーに映る人たちに許可は取っているのか?撮る側の傲慢や優越感があるんじゃないのか?移民はスウェーデン人になれないのか?そもそもスウェーデン人ってなんだ?わたしは誰なんだ?

高校生のカメラが映し出す生々しい現実。編集のない5時間の動画。その中だけで見ることのできた母の姿。生きづらいこの世界で生きていかなきゃいけないんだよなー。かっこよかったし、愛おしかった。

 

日本の友達から、「就活と忙殺で韻踏めるくらい忙しいよ〜」とメッセージが来て、わたしの中のラッパーが「それ本当に踏めてる?」とうるさい。全然ラップのことはわからないけれど、こっちに来てからキングスカップで9が出ることをいつだって恐れその度に死ぬ気で挑んでいるので過敏に反応するようになってしまっている。

英語のライムは日本語以上によくわからないし、語彙力的に惨敗なので、だいたい答えた単語の正誤は曖昧にスルーしてもらえがちだけれど、ラップはまったくわかっていないけれど常に根性だけでトライしている友達が、「box」「paradox」のあとに、堂々と「six!!」と答えて場の空気が凍ったことを思い出して何度でも笑ってしまう。

その友達にこれは韻を踏めているのか尋ねたところ、「多分踏めてないね。就活と銃殺ならいいんじゃん?」と物騒な返事が来た。そう言うわたしも、盗撮と忙殺と強奪しか思いつかない。もっと明るいのにしてほしい。牛カツの復活とか。

 

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歩いていたら、右側の建物の、膝くらいの高さの小窓に潜んでいた狂気。

 

3/23(土)

朝早く起きてみた。前日になかった危機感が当日は復活していることを祈っていたが、まったくそんなことはなかった。今日起こりうる最悪のことは、4時間のテスト中にお腹が空いてしまうことだなと思ったので、大量のパスタを茹でて食べた。

バスに乗ってテスト会場へ。つい2ヶ月前住んでいた場所に出かけていくのはちょっと変な感じだ。問題は難しかったけれど、最善を尽くしたし、とにかく終わった。

テストの最中もずっと頭がぼんやりしていて、こういうこともあるんだなーと思った。テスト前に勉強しようとあんまり思えないのも、こんなに日々ぼーっとしてしまうのも、生まれて初めてだった。そうはいっても一丁前にご褒美はほしいので、帰って残っていたチョコケーキを食べた。ちょっと頭がおかしかった時に夜ごはんにしようと思って焼いたケーキ。胸焼けして結局まだ食べきれていない。

 

部屋に大きな窓があるのは素晴らしいことだ。机に座ってゆったりとした気持ちで本を読みながら、自分の右半身が青から薄紫、そして藍色と染まっていくのを感じることができる。『存在の耐えられない軽さ』を読んだ。すごい本だ。胸焼けが治らなかったので、豆のスープを夜ごはんとしてちょっと飲んで、ぐっすり寝た。