お正月日記 2018

子供の頃からずっと、楽しいことが終わる前から終わった時のことを考えて、かさぶたを自分で剥くようにその切なさを幸福の中で夢想してしまう。痛いのに。いつかのわたしがこの日々を懐かしく思い出すことを見越して、せっかくの幸せな2018年のお正月をここに残しておく。

 

12/29

帰省。地元の駅に降りた瞬間、透明で凛とした空気を体で感じて、すうっと胸いっぱいに吸う。わたしの一部を忘れてきたみたいに、その空気がすっと体に馴染んで、行き渡るあの瞬間が一番好き。

一人暮らしのいいことは色々あるけれど、わたしにとって一番は心も体も帰るところがあることなのだと思う。高校時代の友達と会えた。1人は京都、1人は名古屋に住んでいて、最後に会ったのは去年の年末。1年に一度しか会えない。 変わらないでいてくれて嬉しかった。変わらないでいることの難しさと、変わっていく切なさを感じる日々だから。次にみんなで会えるのは、2年後とか、3年後かもしれなくて、これが大人になるということかと思う。

 

12/30

家の掃除を手伝ったりもしたけど、ゆっくり寝て、他には特に何もしていない一日。「千の顔を持つ英雄 下」を読破。夜ごはん、美味しいとんかつだった。

いとこ2人と犬が来て、みんなでこたつでゲーム三昧。わたしは3人兄弟なので、5人で毎年、正方形のこたつ。一面足りない。

お正月のために、お兄ちゃんとわざわざ池袋のLOFTまで遠征して、厳選な選考の結果購入した「キャッツ&チョコレート」。お正月に本気すぎる。「ワードウルフ」と人狼もしたけれど、ゲームとは言え嘘をつくのも人を疑うのも本当にストレスで、誰かが「人狼やろう」と言うたびにウッとなってしまう。

 

12/31

美容院に行った。サークルをやめる決心をする。紅白を見た。密かにファンである竹原ピストルさんの歌で泣いた。BOSSの新聞の広告もよかった。今年はガキ使は見ていない。

みんなでゲームして、年越して、そばを食べた。ジャニーズカウントダウンって、何時に終わるんだろう。年明けて突然終わられても終電なくて年始早々泣くと思う。逆に朝までやるスタイルだとしたら、ジャニーズ慈悲深いな。

V6の岡田くんの結婚のお知らせが、24日に届けるつもりが、ミスで早く届いてしまったと話題になっていたけれど、わたしがファンだったらその方がよかったのではないかと思う。クリスマスイブに好きな人の結婚のお知らせを受け取るとか、わたしだったら死んでしまう。世界で一番いらないクリスマスプレゼント。

 

1/1

おせちとお雑煮を食べた。熱があったけれど、どうしても欲しくて、Suicaも忘れたけど、命からがら神楽坂まで行って購入した、ヘロシナキャメラさんのかるたもした。

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フットンダ王2018がめちゃくちゃ面白くて、たまたま一人で見ていたのが辛かった。こんなにも面白いことを分かち合いたかった。後からわたしが話したところでもうその面白さは失われてしまっているということが悲しい。

 

1/2

お墓参りに行った。隅っこのしだれ桜がいつのまにか、お墓の所まで伸びていて驚いた。

スポーツ全般に対して壊滅的な腕前だが、4年ぶりにやったボウリング、すごく楽しかった。これから得意なスポーツはボウリングだと言い張ろう。

夜ごはんは、一年に一度、お母さんが作ってくれる極上ローストビーフと、カシスソーダ。幸せが形になっていた。

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お正月は、毎晩10人で、食卓を囲んで夜ごはんを食べる。

いとこが帰る前の最後の夜、UNOやブラックジャックをした。コンビニで買ったら、一つ1000円もした。花札はやり方がよくわからなかった。だれる前に、寂しいくらいで終わるのがちょうどいいということで、寂しいくらいのタイミングで解散した。

 

1/3

わたしの小学校は、廃校になったり合併したけれど、初めて初期メンバーで同窓会が開催された。10人しかいない学年で半分くらいしか来れなかったけれど、久しぶりに会って、たくさんびっくりして、時の流れを感じた。何にも変わっていないつもりで、少しずつ何かが変わっている。「新成人!たくさん失敗しろ!」と言われたが、子供の時からまだずっと失敗は怖いまま。

おばあちゃんの家に行って、おじさんの旅行の話をたくさん聞いた。30歳の時、300万持って世界一周したらしい。たった一週間で、一人でご飯を食べる切なさや、感動を誰にも伝えられない寂しさで、深い孤独を感じてどうしようもなくなっちゃったんだって。

死ぬほど食べた。お腹がはち切れそうだった。おばあちゃんやおじいちゃんも賑やかな食卓を喜んでくれて嬉しかった。お寿司や蟹を食べた。お正月、もう飽きるくらい蟹蟹蟹蟹だった。 食べるのは一瞬、痩せたら一生と、増量しながらお兄ちゃんと話し合う夜。 多分我々の場合、痩せても一瞬だと思う。