フランクフルト食い倒れ旅行記

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一人でドイツへ旅立つ。お世辞にも可愛いとは言えない、温かさだけを極めたダウンジャケットとすべてを詰めた南京錠付きのグレゴリーのボロボロのリュックとショルダーバッグにいつものわたし。

授業の課題であるイブセンの『人形の家』をKindleで読みながら向かう。こんな時に限ってイヤホンの片耳が突然聞こえなくなる。空港で安かった中国製のイヤホンを買ったが、また一瞬で壊れた。

物価の馬鹿高いコペンハーゲンの大好きなエスプレッソハウスで、Signature melted hot chocolate を飲んで、飛行機は爆睡し、無事フランクフルトに到着。曇り。

空港は大きくて新しい。チケットの購入に経由地が必要でよくわからず、現地人のお姉さんに教えを請いてなんとか電車に飛び乗る。市内までは5ユーロ、30分くらいで行けて嬉しい。

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時間があったので、ひとりでシュテーデル美術館へ向かう。マイン川の鉄骨の吊り橋を渡る。オフシーズンなので外観は修復していたが、各所のシンメトリーが美しい。閉館間際に駆け込んだので急ぎ足だったが、フェルメールの『地理学者』など、有名作品を中心に見回ることができた。

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初めてムンクの絵を見た。叫んでなくてもムンクなんだ、と思った。留学に来てからいくつかの国の美術館を回ったが、やっぱりモネが好きなわたしは胸を張って日本人代表。

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どうやったらこの磨りガラスの向こうに行けるんだろう、と探り探り近付いて行ったら、それは鏡で、写っているのはわたしが立っている空間だった。

地下はフロア全体がモダンアートの展示になっている。あまりモダンアートを鑑賞したことがないので面食らったが、刺激的だった。

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もう日も暮れた夜の街を歩き続けた。なぜか人は皆無。東京駅近辺を一人歩いていた12月の夜道を思い出して泣きたくなった。東京が好きだ。そして一人夕食を食べに、Römer というレストランへ。家庭的な、定食屋さんのような店内。赤チェックのテーブルクロスは世界共通なのか。一人で入るのちょっと緊張した。

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お腹も空いていたし、一人で旅したこの一日に祝杯を上げるため、グレープフルーツのミックスビアと、シュニッツェルと、フレンチオニオンスープを頼んだ。ちゃんとビールを頼まないのは邪道な気がしたが、やっぱりドイツのミックスビアが大好き!オニオンスープの底知れぬ優しさに救われ、そして溶けたパンとチーズに満たされる。一杯のスープで感情が1セットくらい回転する。

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シュニッツェルはとにかく大きくて付け合わせのポテトも頼んでしまって食べきれないかと思ったけれど、気合いで食べきった。美味しかったけど、シュニッツェルの味の違いがあまりわからない。ソースをこってり系にしてしまったので胃が大変だった。ずっと我慢していた『ハイキュー』36巻を読んで、定食屋の片隅で一人むせび泣いてしまって完全に怪しいアジア人だった。

そこから一人電車に乗り、また夜道を歩いてホテルへ。合流予定の先輩が到着するまで休憩し、もう遅いしそのまま寝ようと思っていたら、「ここまで日本から長い時間かけてはるばるドイツまで来たのにビールを飲まずに寝るなんてありえないよね」というLINEが来て、自分の気力と体力を信じパブへ。深夜で空いている店がなかったので、ドイツでアイリッシュパブ。煙草の匂いでけむたい店内、混み合っていた。

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グレープフルーツビアと、なぜかカンパリオレンジやらギネスやらを飲み、チキンウィングとポテトを食べた。激辛チキンウィング。ずっと好きな人がいて、失恋して、そこから一年大丈夫なような気がしていたけれど、「本当は大丈夫じゃなかったんだよね〜まだ全然好きだって気付いたんだよね〜」という話を聞く。言葉に抑揚がなくて、当たり前みたいにポーカーフェイスで話すからいつも笑ってしまう。真顔で間延びした声でキッパリはっきり話す人で、わたしはいつもゴーイングマイウェイを体現した彼女の意志の強さと自信に惚れ惚れする。「どうしよう」じゃなくて、「どうしようもないよね。わたしの好きにするわ」と、電話したくなったら電話して、飲みに誘って、思いのまま生きる彼女が好きだ。2時過ぎに帰宅。

 

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昨日遅かったため、観光するのは今日しかなかったけれど、昼過ぎまで二人して寝た。市内まで歩き、Schlemmermeyer というお肉屋さんがお店の横のスタンドでやっている有名なスタンドへ。

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白のフランクフルトと、レバーケーゼ?とフライシュケーゼ?という、塩味強めなミートローフ的なものと、豚皮の揚げ物を頼む。フランクフルトとミートローフは、パンに挟んでもらうことができて、このパンがまた美味しい。豚皮は、カリカリで苦くて中身がなく、わたしには何かの間違いのように思ってしまった。だけど、フランクフルトとミートローフは絶品だった。特にミートローフはやわらかくて最高。ドイツでソーセージ食べようと思っても、パブやレストランに入らなければいけないイメージがあったので、お酒を頼まずとも美味しいものを街中で食べ歩きできるのが嬉しい。

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お腹はいっぱいだったが、何にせよ今日1日しかないので甘いものも諦めきれず、Wacker's coffeeという超行列の老舗喫茶店でコーヒーを飲む。わたしが唯一所持しているドイツ語は、Milch kaffee だけなので、いつもカフェではドヤ顔で「ミルヒカーフィー」と頼んでいる。明らかに観光客なので、大体は英語で返されるか、万が一ドイツ語で話してくれたとしてもそこから先はまったく話せず、ドヤ顔でドイツ語を発した3秒後には「Sorry?」と返さなければいけない始末。

レーマー広場に行ったり、鉄の橋を渡ったり、有名な大聖堂に向かったはずが全く違う福音教会に入っていたりした。少し歩いたところで、晩餐前の腹ごしらえに Leib&Seele へ。昼にソーセージを食べたものの、ちゃんとした、ビール×ソーセージの組み合わせも堪能しなければ、やはりドイツを去れないのである!

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フランクフルトで有名らしいアップルワインを頼んでみた。グラスに格子柄の切れ込みが入っていて、半透明の黄色が反射して綺麗だ。アップル&ワインなんて最高じゃんか!と意気揚々と500mlを頼むも、酸っぱすぎる白ワインという感じで、甘さ0酸っぱさ100に振り切っていってあんまり好みではなかった。500mlも頼んだことを即座に悔やむが、酔いが回ってきて意外とごくごく飲んでしまった。

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次は、Sion の Kölsh を頼む。どうやらケルン地方のケルシュビールというものの一種らしい。なんとこれが、ビールなのに甘くて爽やかで、絶妙なバランスで、一瞬でわたし史上最強のビールに認定された。このはちみつみたいに鈍く光る黄金色の奥行きがたまらない。ラガーのあの馬鹿みたいな明るい黄色が軽薄に感じられちゃうね。うーケルンも行きたくなっちゃうよ。また飲めたらいいな。

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お酒がぐんぐん回ってきたので、次はミックスビアに落ち着く。日本でもコークハイが大好きなわたしは、ドイツでもいつもコーラを混ぜてしまう!めちゃくちゃ美味しい。日本でももっとミックスビア流行ってほしい。コーラの割合多めなものがわたしは好きです。この辺りで酔いが回って、暴力的な眠気にダウンし、ふと目を閉じたつもりがそのまま30分ほど眠りに落ちてしまった。目を開けた瞬間に先輩が間髪入れずに「お店の人にも周りの人にもやばい目で見られてたよ。本当に迷惑だからやめたほうがいいよ」とストレートを打ち込まれそのままノックアウト。すみませんでした。

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そして念願のソーセージの盛り合わせを食べた。お兄さんに「とにかくおすすめのソーセージが食べたいんだけど、どのメニューがいいかな」と聞いたら、「オッケー任せろ!」と笑顔で厨房に消えていって用意してくれたもの。

一人5種類くらいのソーセージを満面の笑みで平らげた。どれも素晴らしく美味しくて素晴らしくビールに合った。今回の旅で一番好きなお店かも。白いソーセージに縦にナイフで切り込みを入れ、そこから指でつるんと向くと皮がむけるのだと、ベルリンに遊びに行った時に後輩が教えてくれた。現在鋭意習得中であり、何気にこれが一番好きな種類のソーセージ!甘めのマスタードがまた美味しい。

そこから歩いて、今日の締めの Apostel へ。小さな灯りだけが灯る、薄暗いパブの地下に案内された。小声で囁きあう恋人たちのためではなく、この火を絶対に消してはいけないと必死な囚人のための薄暗い灯りだった。お世辞にも雰囲気がいいとは言えなかったが、もう飲みすぎているので何でもいいのである!

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またもやわたしはミックスビアを飲む。コーラを混ぜるにはこのビール、スプライトにはこれ、という王道が決まっているらしい。そしてコーラを混ぜたビールのことを「ディーゼル」と呼ぶらしい。ディーゼル

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ローストビーフは冷え切っていたが、サワークリームに多種多様な草が混ぜられている、お姉さんおすすめのグリーンソースはさっぱりしていていい感じだった。ローストポテトはもちもちで、その店の中では美味しさが肉をも超えていた。こっちに来てからじゃがいもにもレベルがあるということを知った。

夜、ほろ酔いでハッピーに部屋に帰るも、タオルをもらいに行った時にフロントのおじさんと思わぬ戦いに発展し敗北。イライラして部屋に帰ったら、「タオルもらえないとかまじ無理行ってくるわ」と先輩が旅立つ。英語わかんないから紙に書け、と言われ、タオルの綴りを間違えるという痛手を負いながらも見事タオルを獲得し帰還。

 

2/5

21歳の誕生日を迎えた。フランクフルトで迎えるハッピーバースデー!とは言っても、朝一の飛行機ですっぴんのままコペンハーゲンに帰り、フランクフルト旅行は無事終了した。

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2.5L ほどのビールと美味しい食べ物を胃になみなみと注ぎ続けた旅。「観光って疲れるじゃん。ドイツに集合してソーセージとビールだけ好きなだけ食べて帰ろ。観光は絶対やめよ。」と、なかなか言いづらい最高なポリシーを貫き、この食い倒れ旅行を遂行してくれた先輩よ、ありがとう。

ダブリン旅行記

3/10

時間通り、朝ダブリンの空港に降り立つ。LCCにしか乗れない生活をしている身からすると、2時間半のフライトでもお茶を出してくれ、CAの方々がみんなフレンドリーなSASは天国だ。

失礼ながらそこまで観光地のない街のように思っていて、「ダブリン」という言葉の響きとジョン・カーニー監督の3本の珠玉の映画だけを胸に秘めて降り立った。バスの中で、『シング・ストリート』のクライマックスで流れる、Adam Levine の Go Now を聞いて涙ぐむなどしていた。小さな街ゆえの閉塞感と、外への憧れと少しの軽蔑、外に出たいと願えども何らかの事情で叶わない人、勇気が出ないまま大人になった人、自分でここで生きると決めた人、自分の足で外に飛び出していく人。この映画で描かれるダブリンは、かつて東京に憧れていた自分に大いに思い当たるところがあって、だからこそ、最後の兄から弟へのメッセージが込められたこの歌は、歌声も、歌詞も素晴らしくて、そして本当に特別だった。目黒シネマで初めてこの映画を見たとき、涙が止まらなかったことを思い出しながら、バスに揺られていた。

曇ってばかりの街を想像していたが、澄み渡った青空に強い風の日だった。大きな何かがあるわけではないが、こじんまりとした雰囲気のいいカフェや、フレンドリーな店員さんとアイルランド音楽のかかったレストラン、個人経営のセンスのいい雑貨屋さんなどがたくさんある、温かい街だ。親しみとおしゃれさがいいバランスで共存していて、そこに音楽と出会う人々の温かい人柄が交わって、すぐに好きになった。

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お昼ごはんは The Shake というお店で、フィッシュ&チップスとシーフードチャウダーと、楽しみにしていたギネスビールを頼んだ。旅行の醍醐味の一つは昼間からお酒を飲めるところで、そして旅行の目的の3/4は食なのである。

サクサクの衣で揚げられた魚にレモンをかけて美味しくないわけないよね。そして、魚介のエキスが詰まったシーフードチャウダーという至高。お肉がごろごろ、とか、魚介がごろごろ、とか、食べ物じゃなくてもお布団でごろごろ、とか、ごろごろが好き。アイルランドと言えばじゃがいも飢饉ですが、ほくほくの素朴なじゃがいもは、わたしが感じたダブリンへの印象そのままだった。

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ギネスビールはブラックコーヒーみたいに真っ黒で、喫茶店で「当店自慢の特大コーヒーゼリーです」と言われたら何も疑わずに食べちゃいそう。最初は渋くて少し苦めの深い味わいなのだが、飲み込むと、そこから想像できないくらいスッキリ爽やかに喉を越していって、後味は何も残らない。面白いビール。

セイント・パトリックデーを待ちきれない!というように、街は緑や旗に溢れていた。店の中でも外でも、音楽がかかれば人は口笛を吹き、タップを踏み、時には大声で歌い出し、そんなはずはないのに不幸なんて存在しないような天国みたいな陽気な街だった。

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そうこうしていたら、あっという間に大雨に降られ、それが雹になって、ふくらはぎを斜め45度からの止まない砲撃に晒しながら教会へ逃げ込んだ。教会で、合唱団が練習をしていて、その歌声と重なりと教会の中の響きが本当に信じられないくらい美しくて、神様に近い空間だった。こういう偶然の出会いにぐっときたくて旅をしている節がある。

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外に出たら、さっきまでの天気は嘘みたいな快晴。教会の前の広場は一本の道でできる迷路になっていた。片側と片側から辿って、ある一点で友達と出会う。

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街のシンボル、聖パトリック教会にも行った。ハリーポッターみたいな外観。花を見たのは久しぶりだった。久しぶりだったことにも、しばらく花を見ていないことに気付いていなかった自分にも驚いた。暴力的なまでの花の彩りに慄いたりした。リアリズム的なステンドグラス。Remembrance treeという、亡くなった誰かのための手紙を結ぶことのできるモニュメントがあって、神様にだけ見せるつもりのどこかの誰かの心の一番痛い部分を覗き見する行為に罪悪感を感じつつ、目を逸らせなかった。英語しか読めないけれど、その他たくさんの言語のその手紙は、世界中に散らばった、もうこの世界にはいない誰かへの思いが偶然この街に集まっている道のりの証明で、抱えきれないよと思った。

夜ごはんは、Trinity BarでライブミュージックとマンUアーセナルのライブ中継に囲まれながらビールを飲む。Bangers & mashを頼んだ。今回はキルケニーを飲んだ。ギネスよりあっさりしていて飲みやすい。ライブミュージックがあるレストランやパブにあんまり行ったことないんだけど、いいね。お客さんが耐えきれなくなって手を取り合って踊りに行くのもいい。

宿はairbで取ったら、思いの外郊外で、ほぼ街灯のない森がざわめく田舎町をバス停から30分歩いて、怖くて寒くて震えながら二人歩き辿り着いたのは館だった。館。おばあさん一人で家にいて、かなりビビったけど、ホステルの何倍も上を行く快適な設備で感激。

 

3/11

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トリニティカレッジへ。世界で一番美しい図書館のある大学。ケルズの書の展示を見てから中へ。古本屋の匂いが、一段階くらい重厚で上品な厚みを持ったような芳しい空間。魔法の書が隠されていて、そこから冒険が始まることがあるとしたらその出発点は多分ここ。特別な場所だ。

お昼ご飯は、口のうまいお兄さんのいる、暗さと温かさが共存したパブ。ドリンクメニューはなく、どういうものが飲みたいか言えばオススメを教えてくれる。とりあえず、ギネス以外であまり苦くないオススメビールを頼んだら、ギネスの会社が作っている新しいHOP HOUSEというラガービールを出してくれた。

アイリッシュシチューとオニオンリングを食べた。シチューはラムが使われているけれど、臭みがほとんどない優しい味。オニオンリングはもちもちしていた。HOP HOUSEは軽くてさっぱりしているラガー、という感じ。ビールに対して語彙力を持たない。

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ギネスストアハウスでビールを作る工程も見学した。チャーリーとチョコレート工場みたいな近未来。最上階の見晴らしの良い空間で、無料で一杯ビール(500ml)を飲むことができる。

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たとえお腹がいっぱいな雰囲気が出ていたとしても、旅先でスイーツを試さないという選択はできない。Queen of Tart というお店で、チーズケーキを食べた。ガーリーな店内で、お皿やカップも種類は様々だけれど、一様にガーリーだった。クリームの上の小さな果実が完成させるガーリー。今時ガーリーなんて言い方はよくないのかな。しっとり&かための、美味しいニューヨークチーズケーキだった。

最後の夜である今日は、Temple barでしめようとしていたけれど、Google mapで偶然見つけたシーフードバーが、なぜか心をざわざわさせたので、これは行かないと後悔すると直感が叫び、友達を連れて突撃した。

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二人のお兄さんが切り盛りしている、狭くてキッチンまで一つの空間になっている店内。ちょっと入るのに緊張したけれど、お店のドアを開けた瞬間海鮮のいい香りが湯気にぎゅっと詰まって、わたしはその空気に包まれながら最高のお店を訪れたことを確信していた。

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18時から19時のハッピーアワーは、牡蠣が一つ1.5ユーロ!食べ方はもちろん、牡蠣も5つの種類から選ぶことができて、わたしはどれも知らなかったけれど、お兄さんが丁寧に説明してくれた末におすすめまで盛り合わせてくれる。わたしは3種類試したが、ただ一つ言えるのは間違いなくこれまでの人生で食べたすべての牡蠣の頂点に立っていたということ。特に大きくて丸々していてぷるぷるなのに、苦味のまったくないあいつ!(名前忘れた)幸せな味をしていた。こんなにも感動が消えることなく帰り道までずっと余韻に浸った生牡蠣は初めてだ。6個も食べた。お金がないので、牡蠣だけ食べて店を出てしまって申し訳なかった。他のすべてのものも絶対に美味しいはずで本当に食べたかったけれどなんにせよお金がないので、店員さんに愛を伝えて店を出た。いつかここのシーフードを食べるためだけにここに戻ってきたいと心から思った。

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そして伝説のパブ、Temple barの赤いお店へ。人に溢れた、店の片隅のステージでおじさんが弾き語りをしていた。お客さんは、ビールを飲みながらそれを聞いたり踊ったり、恋人同士が肩を組んだり耳打ちしたりしていて、この街にはこんな夜が毎晩存在しているということがどこか信じられない。

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国を飛び出したけれど、手を失い、足を失い、目を失い、耳を失い、家族や街を恋しく思うも帰れない誰かが、最後にひっそりと国に帰る歌を歌っていた。曲名は知らない。薄暗い店内と心地いい音楽、そしてビール。この感傷的な時間がこの世界の片隅で、知るよしもなく毎晩繰り返されていて、そのある日の断片にわたしが立ちすくんでいるということ。最後にHARPを飲んだ。アイルランドではギネスよりも若者に人気らしい、軽いビール。Temple barの深みに打たれて、ギネスの苦味が懐かしくなった。

2018

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1月

成人式。母の振袖を着た。わたしよりも母や祖母が喜んでいて、それが嬉しかった。久しぶりに地元の友達に会えて、同窓会がめちゃくちゃ楽しかった。

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東京に戻った途端、怒涛のレポート&テスト&発表ラッシュ。成人式も終わったので、4?5年ぶり?にバッサリ髪を切った。『君の名は。』演習の発表が大変で半泣きだったお正月。ロロの「マジカル肉じゃがファミリーツアー」を横浜まで見に行った。某無印良品のバイトに受かるも今さら週3以上勤務に無理だわってなって辞退しちゃった。レポートもテストも期間中は大変だけど、わたしは根本的に勉強が好きで、新しいことを学ぶのが大好きなのに、普段は怠惰でおろそかにしてしまうところが多々あるから、こういう勉強に没頭する期間がすごく嬉しい。

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2月

ハタチを迎える。当日は親友と京都旅行に出かけて、京都に住んでいる友達を訪ね、山口に住んでいる友達も参戦し、賑やかで幸せな誕生日だった!

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2月のスケジュールを振り返ったら、レポートやテストの終了後ほぼ毎日遊んでた。春休み。居酒屋バイトをやめ、先輩に紹介してもらったインターンを始める。ライターや編集の仕事を中心に一から学ぶ日々。

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社会と繋がって働く感覚も、パソコン使う仕事も、わくわく!

 

3月

これまでバイトが嫌で嫌で、月に1〜4回のペースでしか働かないくせに3ヶ月くらいしか続かない社会不適合者だったけど、仕事も雰囲気も楽しくて、人生初ガンガンに働いていた。高校時代の部活の同窓会があって、意地でも出たくてまた帰省した。通い愛。

↓夕日を背負う親友のギャル

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最後の1週間半は、人生初のアメリカ旅行!LAとラスベガスのグランドキャニオンに行った。ベラージオの噴水ショーやらLAディズニーやら大満喫。

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グランドキャニオンは、深夜2時集合の超ハードなツアーだったけれど、1日で10年分くらいの自然と絶景を堪能して、地球に生きていることを実感した。暴力的な眠気にどうにも勝てなくて意志とは裏腹に瞼が閉じていく中、砂漠で地平線から登る朝日を見たことをきっとずっと忘れないと思う。

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4月

気付いたら3年生になってた。恐ろしい。この月も、空いてる時間はガンガン働いて、学校では演習のフィールドワークに奮闘し、その他の時間はガンガン遊んでた。なぜかNHKの歌番組のバックで踊ることになり、ゆず様と共演した。

祖父母の喜寿お祝い会で、また帰省した。自宅に板前さんが来て、目の前で寿司を振舞ってくれるという画期的サービス!美しいよー。

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5月

GWにまた帰省して、人生初、親知らずを抜いた!痛すぎて、めちゃくちゃ腫れて、散々な休暇だったけど、東京で抜かなくてよかった〜と思った。痩せるかな?と思ったけど、痛くても意地でも食べるから全然痩せなかった。

早稲田松竹で「ブレードランナーFINAL CUT」と「ブレードランナー2049」の二本立てを見に行くも、グロ・ホラー耐性が皆無なため、一本目で挫折して一人帰宅。切ない。

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この月はフィールドワーク三昧で、街でインタビューをしては何度も断られ、心折れるも、優しい人に救われる生活をしていた。今期もドラマが熱かった。

 

6月

上半期はずっと留学準備に追われて忙しかった。ゼミで「おっさんずラブ」についての発表をした。会いたい人にちゃんと会えた月だった。お兄ちゃんの大阪引っ越しにまたついていく。飯田橋ギンレイホールで「勝手にふるえてろ」を見た。超刺さった。

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7月

「バーフバリ伝説誕生」と「王の凱旋」の二本立て爆音上映に一人で参戦した。春学期も終わりを迎え、またレポートやらテストやらに追われる日々。藤原竜也椎名桔平の「レインマン」を観劇した。いつもの藤原竜也だった。

先生に紹介してもらった、2日間のベビーシッターに挑戦!めっちゃくちゃ天使でいい子で可愛くてこっちがお金もらいたいくらい最高だった。

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プライムデーで、2年くらい悩んでたKindle Paperwhiteを買ったら最高だった。

 

8月

カメラを止めるな!」めちゃくちゃ面白かった。ロロの「グッド・モーニング」を見て、すっごく好きで、なぜかボロボロ泣いてしまった。ゼミ合宿で何気に人生初日光へ。東京の家を引き払って、実家に帰る。もう東京にわたしの居場所はないのか、と思うと不思議な気持ち。

免許更新したり、BBQしたり、最後にディズニーシーに行ったり!何気に満喫していた。地元の友達にも最後に会えた。出国前に髪の毛切ったら、蛍原さんみたいになっちゃった。弟にも「ほとちゃんみたいだね」と言われた。

前の日から家族で空港の近くに前泊して、記念すべき8/20に日本を出発。最後のご飯は寿司!泣かない予定だったけど、というか実感がまったく沸いてなかったけど、最後に家族ひとりひとりに手紙を渡したらちょっと泣けてきて大変だった。飛行機の中で『レディバード』を見て、母と別れたばかりだからまた号泣してしまった。がんばれわたし!

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そして留学生活がスタート。毎日が必死だった。SIMカードが手に入らなくて、よくわからん地図を片手に2時間くらい迷子になる日の連続。ボディソープもシャンプーもなくて洗顔料で全身洗った日、寮までおっっっもい荷物引いて半泣きで帰った日。

到着した次の日からスウェーデン語の授業が開始して、初めての英語の授業に困惑しつつも体当たりの日々。オリエンテーションがたくさんあって忙しかった。英語ぜんぜん喋れないけど、友達作りに邁進し、なぜか夜中までバレーボールの練習に参加したり、民族ダンスの会に参加してみたり、思い返すと結構愉快。

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9月

授業も友達作りも生活も、すべてに体当たりの日々はまだまだ続いた!(というか今も続いている)IKEAに行って、やっと最低限度の生活を手に入れる。やはり心の余裕や平穏は、生活のクオリティが保たれてこそだと実感した。

初めてのクラブデビュー!愉快なグループにたまに誘ってもらえるようになり、友達と食らいついてった日々。完全なる異文化に、ホームシックになるどころか、めちゃくちゃ面白くなってしまい毎日笑いが止まらなかったなー。

そして突然のハンガリー旅行へ。物価が安くて街も綺麗で楽しかったけれど、ブダ側とペスト側の明確な生活水準の差や、戦争の歴史や、色んなことを考える旅だった。トカイワインがめっちゃくちゃ美味しかった。

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さらに、オーストラリア3人アメリカ1人ニュージーランド1人という完全なるネイティブスピーカーのKrakow旅行に、友人となぜか参戦。英語わからなすぎるのに誘ってくれてありがとうすぎる。

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アウシュヴィッツに行った。簡単に感想は書けない。きっと一生忘れないと思う。辛かったけど、行って、知って、この目で見られて、よかったと思った。

到着してから1ヶ月の間にチャリが1台壊れ1台盗まれ3代目、さらにその子が3日連続でパンクし、人種差別チャリ屋と対峙し、最終的には自分で解体してチャリ直した。根性で生きてた。

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極寒の真夜中、強風と豪雨に打たれながら帰路、チャリがパンクして、前にはオーストラリア人の友達、止まることも降りることもできず、太ももが張り裂けるような肉体的辛さ、寒すぎて手も足も文字通り凍って、2kmの上り坂を激走した。後にも先にもこんなに辛いサイクリングも辛い時間もないだろう。思い返したらまた辛くなってきた。

ホームシックには結局一度もならなかったけど、チャリが3回目のパンクを迎えた瞬間は流石に涙出てきた。(2019年1月現在、4度目のパンクを迎えています)

 

10月

スウェーデンでの生活にもだんだん慣れてきて、友達もできて、楽しい生活!

Fikaに次ぐFika。最高の文化。いとこ家族に会いにロンドンへ。観光もできたし、めっちゃくちゃリッチなローストビーフを食べに連れてってもらった。日本の食やお酒を広める会をお手伝いして、英語使ってお仕事できて面白かったー!

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人生初のハロウィンパーティに参加。まさかスウェーデンでデビューするとは!わたしは日本代表としてIt's me Mario. 世界各国のTOPオブ陽キャ達のハロウィン、本気すぎて世界の広さを知った。スペイン人の陽気な女の子たちが夜なべで手作りしてファラフェルの等身大マスコットを着てきて爆笑してしまった。

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英語のAssignmentや、10も中盤になってから突然始めたボスキャリの準備に追われ、本当に文字通り怒涛の日々。寝ても起きてもES。超忙しかった。美しい秋だった。

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11月

めっちゃくちゃ忙しい中、合間を縫って、Krakowと同じ面子でノルウェー旅行に無理矢理参戦。ベルゲンへ。霧が似合う街だった。

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ボスキャリに飛んだ。宿が本当になくてAirbnbでやっと見つけたところを予約したら、危険地域のど真ん中で死ぬかと思った。いろんなことがあったな〜。初めて自分の人生を見つめて未来と向き合った時間だった。せっかくボストンまで飛んだのに観光できないの悔しかったから、かわいいシール買って携帯に貼った

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終わっても息つく暇なく、プレゼンや課題に追われる日々。

文化人類学の授業で、幼稚園に自分でアポとって英語インタビュー。これがめっちゃくちゃ大変だった。さらに珍しく風邪を引いてしまい、熱も鼻水もどうしようもなくて、だけどどのスケジュールも抜くことはできなくて強靭な精神力と根性だけを持ってなんとか生きてた。

 

12月

気付いたら12月。留学生活ももう4ヶ月経過。早い!

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日本でも全くやったことのない言語学を好奇心で取ったものの、範囲は基礎の全てで、英語論述4時間のテストがやってきて本当に死ぬかと思った。久しぶりに全力で勉強したら、手応えがあって、さらに初めての最高評価をもらえて嬉しかった。

10日にこのテスト、11日に文化人類学の激重レポートをなんとかやり遂げ、その日の夜になぜかパーティーで寿司を握って振る舞い、そのまま12日に5時起きでベルリンに飛んだ。12・13ベルリン、14ポツダム、15ドレスデン、16プラハという過酷スケジュールでクリスマス前旅行。鬼スケジュール。最後はプラハで空港泊。これがまた辛かった。寝てる間にみかん一個盗まれた。

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そして家に帰らずに、コペンハーゲンの空港で止まって直で日本へ。全く帰る予定はなかったけど、なぜかボスキャリで通った最終面接に参戦。これがまた辛かったー。人生で一番、自分を見つめていた。でも東京に出てきてくれた母に会えて嬉しかったし、別れる時はまた泣いちゃった。クリスマスは、Skåneの田舎町でみんなでクッキングしたり映画見たりして過ごした。そのまま、フィンランド側のラップランドに住む友達のお宅にお邪魔して、年末年始を過ごした。

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北欧で過ごすきっと最初で最後の冬、たくさんの出会いと別れを繰り返しながら、大好きなGlöggを飲んで、温かく生きています。「どこにいても楽しそう」と言われて嬉しかった。自分に自信が持てない、臆病で怠惰な自分を嫌というほど見つめた一年だったけれど、小さなことに幸せを感じられる自分、どんな時でも精一杯生きてきた自分を、ちょっと誇れる年でもあった。人生で一番必死な一年だった。スウェーデン、いい国です。 

魅力を背負って生きてゆく

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バイトを退勤した後、社員さんと先輩と飲みながら浮気について語る。「浮気は絶対しない」と言う人と、「浮気するかもしれない」と言う人、どちらの方が信用に足るのだろう。言うまでもなく結果によるけれど、姿勢の話としてはかなり面白いと思う。30代塩顔イケメンデザイナーが「制限速度を守る人は浮気しない」という説を熱量高く提唱していたけれど、どの目線での気付きですか?!

地元の友だちが遊びに来て、みんなで遊んだ。なんかもう毎日馬鹿みたいに笑い続けてたなー。下校時間を過ぎて3人で学校を追い出され、校門の前で待ってる他の2人と毎日のようにだべってた中学時代。もう8年も経つ驚きと、何も変わらない喜び。「最近何してるの?」と、そのうちの1人の男友達に聞いたら、「恋してる!恋してる20歳だよ!」と言われた。かわいい友に幸あれ。

最近通っているお蕎麦屋さんで一人でそばをすすっていたら、前に一人で座っていた欧米人女性のうなじから背中にかけて、縦に「魅力」と彫ってあって釘付けになった。

わたしのtumblrを知ってくれてる友達が、tumblrのことをtinderと間違えていて面白いんだけどいつ訂正するか迷う。

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渋谷の雑踏の中でスラムダンクの看板の前を通るたびに震えてます。がむしゃらになりてえー!

ミスチル地獄

梅雨は嫌いだ!こんな日はサントラを聴くに限る!という気持ちで仕事していた。ついついエモーショナルに走る。

Carol 「怒り」オリジナル・サウンドトラック koko

小さい時に大好きだったドラマは、「やまとなでしこ」と「愛し君へ」で、特に「愛し君へ」はビデオテープが擦り切れるほど、何度も何度も見ていた。本当に美しくて特別なドラマだった。最近になって脚本が坂元裕二さんだったということを知った。

泉谷しげるさんが演じた不器用な父を、おぼろげに思い出すだけで泣いてしまう。海辺で、娘の名前の意味を打ち明けるシーン。小学生とかそのくらいに見たドラマのワンシーンが今も消えなくて、多分わたしを形成する何かの大事な部分を占めている。

そんなことを思ってから、Youtube森山直太朗の「愛し君へ」をずっと聞いている。


森山直太朗 愛し君へ(LIVE)

一曲聞くと、そこから好きそうな歌を流し続けてくれるYoutubeはすごくすごく有能だけど、どこから始めても結局ミスチルにたどり着き、そこから自動的に永遠ミスチル地獄に陥るこの現象に名前をつけたい。いやミスチルはだいすきだ言うまでもなく素晴らしいんだけど、どの入り口から入っても最終点はミスチルにたどり着く無限ループ。

最近なんてもう、「愛し君へ」の次の曲がもうミスチル。そこからはずっとミスチル。あと数曲は森山直太朗の美声を堪能させてほしい。ミスチル界の輪廻転生。

あと平井堅の「恋するフォーチュンクッキー」も絶対一回は流れる。なんで? 

人が行き交う交差点で後輩とすれ違い、割としっかり名前を呼ぶもあっちは音楽を聞いていて気付いてもらえず、肩を叩こうとしたらリーチが足りず、色んな意味で見事に空振りして路上で恥ずかしい人だった。今日も元気です。

insomnia train|SEKAI NO OWARI

 

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偶然チケットをもらって、セカオワのLIVEに行った。insomnia train 、コニファーフォレスト。セットの壮大さに驚きつつ、ファミリーシートに座ってまったり音楽を楽しんだ。

心臓の下の方に、お腹の奥に、ずんっと音が響くあの独特な感覚。久しぶりにLIVEに来たって実感が湧く。目の前の生の音にわくわくするという体験は、やっぱり貴重だ。

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すごい好きというわけでもなかったけど、終わる頃にはすっかりファンになっていた。MAGICのサビに泣きそうになった。サザンカを聞けなくて少し残念。

小さい子からおじいちゃんおばあちゃんくらいまで、すごく幅広い層のお客さんがいて、家族で来ている方もすごく多くて、本当に健全でLOVE&PEACEなアーティストだということに何よりも感動した。頭の片隅で、サンタさんからORANGE RANGEのチケットをもらって家族でコンサートに出かけたら、下ネタだらけで気まずかった夜を思い出していた。月が綺麗な夜だった。

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腕のきらきらを借りた。みんなの腕が、歌に合わせて色が変わって輝いて、光の海みたいだった。すべての人の心が一つの音に、一つの空気の震えに向いていて、それは本当にすごいことなんじゃないかと思う。光の流れだけで泣きそうになる自分がいるとは知らなかった。