2024年1月記

1月にやったこと、正月ボケと正月ボケからのゆるやかな回復くらいしかないな…と思っていたけれど、振り返ると細々と色んなことをしていた。生活ってそうだったわ〜〜。そのこぼれ落ちる日常の細部をありがたがりたくって、今年も日記を書いていくぞ!

今月の主な出来事

社会人になって最長の1週間半帰省

お正月は実家でひたすら食っちゃ寝食っちゃ寝の、そこらへんの貴族もびっくりな放蕩ぶり。数年前から薄々勘付いていた、実家のリビングや寝室でアレルギーっぽい症状が止まらなくなる現象、通称”実家アレルギー”が長期滞在で重症化して終いには発熱。母が「生まれ育った家なのに…」と寂しそうで申し訳なかった。この実家での何もしないあたたかい日々が、知らないうちに削れていた色々なものをフラットに戻して、なんだか心がめちゃくちゃ栄養補給されたな〜〜という実感がある(もちろん体も!)今のわたしに必要な時間だった。半分くらい東京独り立ちモードから娘モードに戻っちゃって、東京に戻ってくるときは結構センチメンタル発動しちゃったぜ…

そして人生最高体重を記録

完全に気を抜いてたところに軽い気持ちで抜き打ちセルフ体重測定を実施したところ、人生最高体重を記録。ちょうど上京していた母に「ふっくらして幸せそうで可愛いよ🎶生活を楽しんでるね🎶」と言われて、やっぱ太ったんだ…と現実を突きつけられた。完全に冬にかまけてたね…。食べるのも動かないのも、言い訳はいつも冬。そこで一念発起して、12月に始めたピラティス週2に加えて、行かない日は家でYouTubeを見ながら運動するストイック派に突然の転向。数多のメニューの中で、筋力と言うより精神の問題で、プランクがめちゃくちゃ苦手なことに気付いた。たぶん、キックボクシングの追い込みのような「動」が必要とするのが「限界突破」だとしたら、プランクの体勢で1分耐える「静」が要するのはひたすらに「忍耐」であるからだと思う。この運動習慣が続く気はしないので、せめて続いている間は力を尽くしたい。

バスク料理屋で会合 with 叔母・従姉妹

叔母が営む喫茶店の居心地の良さ

叔母と従姉妹と、生まれて初めて3人だけで食事をした。昔パリで修行をしていた叔母の憧れの地であり、ちょうど最近旅行に行ったけれど現地でごはんを外しまくった従姉妹の交差点、リベンジバスク!わたしは初バスク料理、ちょっと田舎風の素朴さがおいしかった。去年しんどい思いをしていた従姉妹が、私の前で話していた時は泣かなかったのと同じ話をしながら叔母の前で泣いていたことに少し安心した。大所帯だったこともあって、近くにいても個人的なことや傷にはお互い触れずに笑顔ばかり見せ合って育ってきたから、今だからこそ話せる色々なことが沁みちゃうね…。「殺伐な暮らしをしているだろうから🎶」と叔母が最後にサプライズで手渡してくれた、かわいいチューリップ。人から花をもらうって、こんなにも嬉しい!

大きい花瓶しかない
舞台「ハリーポッターと呪いの子」

久しぶりに降り立った赤坂が街を上げてハリポタモードでびっくりしちゃった。演出がすごすぎてマジックを見てるみたいでわくわくした!わたしが見たのは石丸幹二ハリー。普段全然演劇を見ないのでもしかしたら演劇あるあるなのかもしれないが、みんな感情的すぎて「最後まで話を聞いて!そんなに感情的にならないで!!」とハラハラしていた。特にアルバス・ポッター(ハリーの息子)自分は人の話を聞かずに好き勝手言っておきながら、それで激昂した人間のひとつの失言ばかりあげつらって被害者面するな!とガチ説教しそうになった。役者さんの話し方が誰かにめちゃくちゃ似てるんだよな〜〜とずっと考えていて、終盤それが碇シンジだ!ということに合点がいってからというもの、思春期の息子の葛藤、さらに父との確執という設定も重なって半分エヴァの気持ちで見ていた。

1月の好きワード大賞

些細な会話の表現や言葉選びのセンスがいい人のことが大好き!なんでもない顔で聞きつつ内心「くぅ〜〜」と痺れながら、いつもその数秒後には忘れてもったいないので、1月の記憶に残っている言葉たちをメモ。

  • 紅白で生田絵梨花さまのあまりの完璧さに震えるわたしへの従姉妹の呟き「あのね、いくちゃんが可愛い分の皺寄せは誰かに来てるんだよ…つまり我々が支えてるんだよ…」(”可愛い”ってゼロサムゲームだったんだ…)
  • 二軒目に到着した時の先輩「一番トイレいただいていい?」(一番風呂っぽくナチュラルに言ってたけど初耳だよ)
  • 業績停滞「成長の踊り場」(上司のオリジナルではないようだが、停滞してる割に表現がおしゃれすぎるし、踊っている場合ではない)
  • 仕事上での悲しい事故・ミスとその連鎖「一連の不幸」(喪に服す姿勢がよい)
  • 他社とは違う領域を攻めるぞ!「競合他社とすれ違いたい」(乙女すぎ)
  • 仕事が暇すぎて干されてる説が浮上している同期「俺なんて最近観葉植物だよ…2年後にはマイナスイオン出せる…」(ポジティブすぎ)
  • 懲戒になろうがクビにならないため、やばい人ほど会社を辞めずに強メンタルで働き続け、逆に周りがバタバタやられていく不条理な現象について「もしかして、この世は狂ったもん勝ちってコト…?!」(悲しい現実)

今月の美味かったもの

石頭楼(麻布十番

f:id:aurorai:20240212134208j:image

会社の先輩方に連れて行ってもらった、人様のお宅に土足で踏み込むタイプの隠れ家的名店(隠れ家すぎて最初素通りした)熱した分厚い石鍋にごま油をじゅーっと染み込ませ、お肉や野菜をサッと炒めたときの香り立つ旨味よ〜〜!本能にガツンとくるやつ。全部店員さんが作ってくれるタイプのお鍋で、お肉やら海鮮やら野菜やら、色んなタレの中からベストな食べ方を教えてもらいながら締めの麺まで楽しんだ。一食の食事としての密度と満足度が高すぎて、こんな世界があったのか〜〜と感激しまくり!

焼肉KAZUのローストビーフ丼(神楽坂)

この世で一番好きなランチ。もうこの5年くらいで何度行ったかわからない。今年も草の根で布教運動を続けて友達を端からこの沼に引き摺り込みたい。

THE KARI御成門

食べログ百名店選出のカレー屋さん。鉄板っぽいビーフカレーは結構辛めという表記にビビって曜日限定のロールキャベツカレーなる未知のメニューをチョイス。お、おいしすぎる…。トマトの酸味とキャベツと肉汁の甘味、そこにスパイスの旨味が合わさって、脳天を突く美味しさに手が止まらず、めずらしくライスだけ後に残った。

VIGORのカレー(清澄白河

結構ボリューミーなベジカレーにチーズトッピング🎶

全然有名じゃないうえに混んでいないので個人的にはありがたいが、その状況はおかしいんじゃないかというくらいかなりレベルが高いと思っている。スパイスが相乗効果をもたらした結果、甘味が生まれちゃっている、一番好きなタイプのカレー。

チーズリゾット

年末年始ヨーロッパに行っていた同期に、お土産で本場のパルミジャーノ・レッジャーノをいただき、せっかくなら!とリゾットにしてみた。レシピに見覚えがあるなあと思っていたら、留学中にやたらめったらリゾットを作っていた時に参照していたのと同じレシピで感慨深かった(でもヨーロッパの謎の米で作っていた時のほうが美味しかった…)

オペラフラペチーノ

叔母に花をもらって嬉しかったので、決算に殺されそうになっている友達の誕生日に桜を贈った(決算が終わったら咲きますように!)

普段スタバの季節限定メニューは飲まないけれど、一年の中でこれだけは格別。カロリーのことは考えないようにしても問答無用でカロリーの味がする爆弾ドリンク。今年は2回飲めたのでもうお腹いっぱい!

今月買ったもの

小林マキさんのイエティカレンダー2024

銀座の蔦屋書店で小林マキさんのイエティの作品群が飾られているのを見て一目惚れ!本当は絵を買いたかったけど残念ながらほぼすべて売約済で、Instagramから調べてカレンダーとポストカードを購入。可愛すぎる〜〜〜。在宅ワークには壁掛けカレンダーが便利だな〜〜と気付いてから、毎年ロフトで超シンプルななんでもないカレンダーを買い続けていたのだが、いつも目に入るところに素敵な絵がある生活の彩りよ!QOLに直結していていいお買い物だった🎶

ポストカードに仲間入り
MACのミネラライズスキンフィニッシュ ライトスカペード

マーブル模様が美しいが、ふたの開けづらさどうにかしてほしい

化粧品が底付きラッシュを迎えて、1月はハイライトを新調した。これまでセザンヌの定番品のみを使い続けていたところ、ハイライトこそ粉質や輝きの上品さにデパコスとプチプラの差が出るという話を耳にして、ついに堂々のデパコス格上げ。今回も、ローラメルシエやらボビーブラウンやら悩みまくり、実際に塗ってみてもぶっちゃけ違いがよくわからず諦めかけ、もうえいや!で、タッチアップしてくれたお人形みたいなお姉さんを信じて決めてもらった(投げやり)

繊細で控えめなラメが綺麗だけど、正直最初の数日はセザンヌと比べてなんか物足りないな…と思っていた。ただ、セザンヌがきらきらをプラスするものだとしたら、MACは光を集めるもの、という感じで、塗れば塗るほど「反射しちゃうんじゃない…?」ってくらいすりガラスみたいに磨かれていく感覚がある。実際に鏡を見た時も、セザンヌは「なんかきらきら!」MACは「顔が明るい!」って感じで、こっちの方が役割を果たしているんだろうな〜〜と思う。

というか、人生で初めてハイライト(それもセザンヌの同一品)を塗って浮き足立って出かけた数年前のディズニーで、集合した瞬間に友達一同に「なんか今日メタリックじゃない…?」「思った…すごいメタリック…」と突っ込まれた思い出があるので、普通に今までのセザンヌきらきらdaysがずっと失敗していた可能性すらある。

マリメッコ×UNIQLOの靴下

マリメッコUNIQLOも大好きなわたしのため?!と小走りで1/2に購入(多分日本中が小走りしてた)結構厚手の硬めでしっかりしている。UNIQLOで服を買わない宣言、靴下だからセーフ!

今月の映画・本・音楽など

※以下ネタバレしまくりですので悪しからず!

バカリズム脚本『ブラッシュアップライフ』『侵入者たちの晩餐』

4人よ、永遠であれ…

見ておけばよかったな…とずっとうっすら思っていたドラマを見ようの回、第二弾『ブラッシュアップライフ』(第一弾は『獣になれない私たち』)ありとあらゆる友達が絶賛して「絶対好きなのになんで見てないの?!?」と言われ続けていたので、Netflixでようやくチャレンジしたのですが、こりゃめ〜〜〜ちゃくちゃいいや😭

特に水川あさみ演じる真里も生まれ直していることが分かって、後半に差し掛かってようやく物語のテーマが提示された時の「こういう話だったのか!」からの怒涛のカタルシス。そこからは毎話泣いてたよ…こちとら努力・友情・勝利で育ってきているので…。友達2人を救うための人生を生きることを選び、そのために学生時代仲良くなる機会を逃してしまうのだけれど(超切ない)その後邂逅するたびに2人が「よっしゃ〜〜!」ってバタバタはしゃいで大喜びする姿に、もう感極まりすぎて同じ気持ちで「よっしゃ〜〜!」ってなりながら熱い涙を流していた。助けてあげなきゃ…とか誰か助けて…!とかじゃなくて、うちらが絶対助ける卍 自分らでどうにかするから待っとけ卍 精神がまず最高(最終話で同じように生まれ直して事故を阻止しようとする浅野忠信ステレオタイプな男性像、が登場するけれども、「俺がパイロットになってどうにかする!」とかじゃなくて「当日パイロットを脅して航路を変えてもらう」という強引かつ短絡的な道を選んであっさりあしらわれていたのが、超皮肉がきいているな〜〜と思った)

2023年のエンタメ振り返り記事でも書いたけど、当方愛の話で友情を持ち出されることに弱い党総裁なので、まっすぐ心を射抜かれたし、なんだか自分たちの存在が尊いものなのだよと認められている気がして、この時代にこの愛を示してくれてありがとうよ〜〜!!

aurorai.hatenablog.com

 

キャスティングもよすぎるのよ

『侵入者たちの晩餐』も面白かった〜〜。なんか洒落たタイトルだな…?と思っていたらマジで侵入して晩餐してて笑ってしまった。脚本が巧みすぎて、登場人物とそれぞれの視点が重なって事態が絡まれば絡まるほど糸が解けていく気持ちよさ。それがなんだかパラサイトを思い出した。菊地凛子さんは、我が道をゆく強気女王様タイプのキャラクターしか見たことがなく、話し方も相まってハマり役だな〜〜と思っていたので、今回は完全な「家事代行サービスで働く平凡な女性」すぎて擬態力が凄かった。

バカリズム、脚本の上手さはもちろん、シスターフッドというか女の友情というか、「美しい友情が世界を救う…」みたいなそんな高尚なものじゃなくて「主婦のファミレス井戸端会議(自転車集合)」とか「女友達の家でお菓子持ち寄ってテレビ見ながらだべる夜」みたいな、なんでもないんだけど一番楽しくてリアルな会話と空気感の解像度が高すぎてびっくりする。ドラマを見てから実生活で友達と話してる時に「あれこれブラッシュアップライフで見たな…?」みたいな逆転現象が起こりまくっていて、バカリズムわたしたちの会話盗み聞きしてる?!?

jo0ji「456」


www.youtube.com


www.youtube.com

す、すげえーー!!!歌声もメロディも歌詞もあまりにも素晴らしくて、このEPを聞くたびにいまだに「すげえ才能を見つけちゃったよ…」と興奮で震えている。1月にして余裕で2024年のマイベストに入ると思う、それくらいの衝撃。他のアーティストと比べるのは野暮だけど藤井風とかRADWIMPSとかの面影を感じてしまう。

ゴジラ -1.0』

全編通して絶望感がやばい

すでに見に行った兄にゴリ押しされて地元で一緒に見に行った。一瞬で時間が経った。商業映画として100点すぎる。ゴジラ物を見るたびに、ゴジラ強すぎてこりゃ無理だよ…と思うのに、毎回なんとかしてる人間の叡智すごい。絶望の中で死に場所を探していた神木くんがみんなのために死んで終わるのではなく、それでも生きる!という道を選ぶ、シンプルで明快なテーマがよかった。最後はゾワっとしたね…

『PERFECT DAYS』

PERFECT DAYS : 作品情報 - 映画.com

音楽のセンスがあまりにも良すぎる。狙いすぎなくらい現実離れした美しき世界。色々批判が出るのもよく分かるけれど、職業を問わずにこんな世界と人生がどこかにポツンとあったらいいな…と思わずにいられない(実際、職業の性質と実態を無視することが問題視されているわけだが)ただ、この映画は渋谷区の公衆トイレのPRとして作られた背景を鑑みると、この作品を見て「掃除してくれている人のことを考えてトイレを綺麗に使おう!」と観客が思って行動を変えることこそがこの作品の意図が達成されたことになるんだよな〜〜(あとトイレ掃除への向き合い方としては実在のモデルがいる)

感情を喚き散らす映画は数多あれど、やはりぐっと堪える映画に惹かれてしまう。ラストシーンの西陽のなかの長回しがあまりにも凄すぎて泣いてしまった。これから西陽を浴びるたびに「Feeling Good」を流して不敵な泣き笑いがしたいです。一貫した音楽への絶対的な信頼、あの音楽なしにあのラストシーンは成立し得ないと思う。『君の名前で僕を呼んで』のラストのティモシーシャラメを余裕で凌駕してゆく我らが役所広司!!

映画版『カラオケ行こ!』

作品の呼び名が「カ!」なのも続編が「ファ!」なのも良すぎる

ついに見ちゃった…!実写化無理では?!と思ってドキドキしていたけれど、これはこれで違う世界線として100点満点〜〜!謎に熱い気持ちが込み上げて、帰りにそのままカラオケ直行して紅歌っちゃったよ。ありとあらゆる漫画の実写映画で主人公の業を背負う山崎賢人に対して、現代のヤクザの悲哀は綾野剛が一身に背負っているよね…

寺井奈緒美『生活フォーエバー』

生活フォーエバー | 寺井奈緒美 | rebelbooks

Twitterで「カスばっかだけど賑やかだったなと滅亡後に神を泣かせたい」という収録短歌がバズっているポストを見て、装丁とタイトルに一目惚れして購入。

特に気に入った、弱気なときに思い出したい短歌↓

活躍をお祈りされる筋合いはないが見たいのなら見せてやる

たましいのなかにある武器倉庫から釘バットがいくらでもでてくる

綺麗ごとが綺麗な国だ帰ってと言わずに蛍の光を流す

萩尾望都ポーの一族』『トーマの心臓

古典漫画を読もうの会、第一弾。年末年始に、超〜〜重い腰を上げて、いつか読まねばと思っていた萩尾望都作品を大人買いした。世界観といい物語といい詩的で哲学的、かなり読み手の想像力に託してるところがあって、この儚くて難解な作品が少女漫画の古典としてド真ん中で語り継がれるって素直にすごい…