ブッダの耳たぶ日記

3/25(月)

暇すぎたので、バスで隣町のマルメへ。気持ちが暗めだな、と思っていたら空もすごく曇っていた。空いっぱいの雲を見ながら、空っぽの気持ちってこんな色なんじゃないかなと考えていた。わたしがそういう気分の時は、真っ黒じゃなくてこういうもやもやした灰色が渦巻いている気がする。ちょっとわたあめみたいで可愛いね。

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服屋さんで試着したら、自分の後ろ姿の嘘みたいな立派さに三度見くらいしてしまった。突然自分を後ろから見ることができてしまう二面鏡というトラップ。ふとした瞬間に絶望してしまって服どころではなかった。

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COSでべっこう飴みたいなピアスを買った。透けるのめちゃくちゃ可愛い〜と思って買ってつけてみたら、ブッダの耳たぶにしか見えない。

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小さなカフェで、美味しいホットチョコレートとショコラクロワッサンを食べた。自分をめちゃくちゃに甘やかしている。毎日一章ずつ読み進めている『How to be a good creature』を読む。洋書を読むのは、今のところ楽しさよりも義務感がエネルギー。

How to Be a Good Creature: A Memoir in Thirteen Animals

How to Be a Good Creature: A Memoir in Thirteen Animals

 

今日読んだのは、誰からも愛し愛されるペットの豚の話。ほっこりした。

He was a great big Buddha master. He taught us how to love. How to love what life gives you. Even when life gives you slops.

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気になっていた図書館へ。シンプルだけど洗練された空間。たくさんのソファーや絵画、カラフルなインテリア、居心地のよい場所。漫画もたくさんあった。旅行の計画を立てようと、SkyScannerや各エアラインのホームページと格闘したけれど、行き先や日程を考えて、価格を吟味して決定する、というのがいつまでたっても苦手すぎて、何も収穫がなかった上にヘトヘトに疲れてしまった。優柔不断は航空券の値上がりと相性が悪い。

帰り道が暗くて怖かった。田舎の夜道は、誰かに襲われるかもしれない!という恐怖ではなく、誰もいないよどうしよう!と、足を早めたくなる静かな不気味さがある。

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ハヤシライスを作った。限られた数のルーとレトルトのご飯を一つずつ、解禁した。そもそもあまり白米を食べない人なので、ごはん食べたい!という衝動に駆られることはあまりないけれど、ありとあらゆる日本食が恋しく、さすがに美味しすぎて泣きそうになってしまった。

 

3/26(火)

洗濯を予約したり、ゴミを捨てたりなど。特に何もしていない。バルト三国の予約をついに全て完了した。頭がおかしかった時に、頭がおかしい友達と計画した旅行なので、3ヶ国を3日で回るという意味わからない日程になってしまっている。よりよいバスや宿などをがんばって調べたけれど、どうがんばっても大変な旅になるだろう。生きて帰りたい。

友達と電話した。最近ついにYouTubeに目覚め、二人して東海オンエアにだだはまりしている。暇さえあれば動画を見まくっているので、詳しすぎて引かれた。いつも三人で会っていて、わたし以外の二人は絶賛就活中なのだが、就活については話したい時に話したい方が話す、それ以外は聞かない、という暗黙のルールになっている。ストレスを振り切るかのように、ジャニーズがコンサートで服を脱ぎ散らかす問題や、その筋肉の度合い、深キョンドラマのエンディングの素晴らしさなどについて語っていた。

もう一人の友達の近況を聞いたところ、就活のESのバイト欄に、他に書くことがないので正直に「ガールズバー」と書いて手当たり次第人事の度肝を抜いているらしい。最近は学習して「バー」にしているものの、店名に「ガールズバー」と入ってしまっているので勤務先の欄で結局ばれて質問攻めにあっているとのこと。面接で座右の銘を聞かれたら「目には目を、歯には歯を。」と答えて相手を震え上がらせているらしい。就活というのは完全に企業>>>就活生で、選ぶ側と選ばれる側のパワーバランスは絶対なはずなのに腕力で乱しに行くな。「希望していない部署や仕事に当たってしまった時はどうする?」という鉄板の質問には「どうしても合わなかったら上司に言って変えてもらう。それでも無理なら社長に直談判する。それでも本当に無理なら転職します」と答えて、同じグループの就活生に「転職って答える人初めて見ました」と引かれていたらしい。ぶっ飛んでいるけれど相変わらず破天荒で愛さざるを得ない。幸あれ。

夜ねむろうとしたら、火災報知器が鳴り響いた。向こうの建物だと思い込んで知らんぷりしていたら、自分の建物だった。廊下から人の声がして、顔を出してみたら、なんだかみんな避難する雰囲気だったのでわたしも避難してみた。下の階が煙たかった。結局火は出ていなくて、料理を失敗でもしたのか煙が蔓延して火災報知器が鳴ったらしいが、もし本当に火事だったらわたしは逃げ遅れて死ぬタイプだなと思った。

 

3/27(水)

友達が誕生日プレゼントにくれたいちじくのジャムが美味しくて、朝から幸せだった。隣町でどれだけ探しても見つからなかった、LAMYの万年筆のインクをゲット。店員さんに聞いたら箱いっぱいのカラフルなインクを出してきてくれて胸が高鳴った。普通の黒を買ったけど。こじんまりとした、文房具のセレクトショップみたいなお店。日本の文房具がたくさん置いてあって、わたしが何年も愛用している、ミドリのノートも売っていて、嬉しくなって聞いてみたら、「わたし達は日本の文房具を愛しているの!」と言われて、なぜだかわたしが嬉しくなった。ヨーロッパの片隅で日本の文房具を愛している人がいるということ。

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お昼ごはんにFisk soppaを食べた。わたしが北欧に求めていたものはこれだったんだよ〜〜!という気持ち。 野菜と魚がゴロゴロ入っていて、サフランの香りに温まる。最高だ。スウェーデン人の友達に、スーパーで売っている魚介類はどうしてあんなに高いのかと聞いたら「獲りすぎちゃったからもうないんだよ」と言われた。

午後は学校で Gastronomy の授業。オーガニック食品などのナチュラルフードはなぜ人気なのか?というテーマ。オーガニック=いいもの、という神話はなぜ作られるのか、コミュニティを食べる、ということについて。おもしろかった。

突然ひらめいて、だし醤油とにんにくときのこと茄子のパスタを作ったら、美味しすぎて自分に感動してしまった。その後、友達の家でプレドリンクを開催し、ひさしぶりに大学のクラブへ。平日の真夜中22時から2時まで踊り狂うというこの謎の儀式が毎日どこかで繰り広げられているとか本当に狂ってるとしか言いようがない。ダンスホールで人間観察する以外にまったく楽しみが見つけられない。

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初めて行った時、男女がお互いに狙いを定めて、だんだん距離を詰めて踊り合うシーンに立ち会って、本気で鳥の求愛ダンスかと思った。途中から、つまらんねむい疲れた帰りたいということ以外考えられなくなる。しかし頑張って、まるで心からこの音楽に酔いしれていますよ風に体を動かすわたし。偉い。わたしの遺伝子には、ダンスとかクラブとかそういうのを楽しいと思うDNAが徹底的に排除されているのだと思う。疲れた。

 

3/28(木)

昨日疲れすぎてそのまま寝てしまって、お昼に起きた。一度はまったものをそのまま続けてしまう習性があるので、また和風パスタを作った。丸一日、屍のように過ごしていた。昨日すべての陽のエネルギーを使い果たしてしまったので空っぽだった。クラブに繰り出すよりも家でゴロゴロしている方が何十倍も幸せだと実感する。この幸せの価値を改めて実感するためには、時折社交性を爆発させる苦行も重要なのだ・・・と思い込むことにする。Netflixで、『マスター・オブ・ゼロ』と『Blooklyn 99』を見た。水筒の蓋に誤ってじゅうじゅうのにんにくを落としてしまって、洗っても洗ってもにんにくの匂いがして、どこまでも悲しい。

 

3/29(金)〜 3/31(日)

弾丸ウィーン旅行に旅立つ。フェルメールの話から、友達に「『何にでも牛乳を注ぐ女』って知ってる?」と聞かれ、数年前別の友達と弾丸北海道旅行に行った時に井上涼さんの『赤ずきんと健康』と、この『何にでも牛乳を注ぐ女』をおすすめされ、二人で永遠ループした結果次の日大寝坊して1泊の旅行だったのに何の観光もできなかったことを思い出した。ペーパードライバーなのにレンタカーを借りて、6車線超えの信じられない大通りで左折禁止のところを左折しようとしてしまい、目の前がこちら向きの6列の車の軍勢だった瞬間を思い出す。戦慄のすすき野。これまでの人生で一番死に近かったし、あの6列分の人たちにも申し訳ないことをした。不可能に近い構造の駐車場に挑戦して、友達が外から指示を出してくれて、30分かけて車を入れた。あれはいい旅だった。そんなことを思い出してから、NHKで「びじゅチューン!」という番組をやっていると知り、突然井上涼さんに再びハマる。現在、過去作を全部見返している最中である。至らぬ点はごめユニコーン


赤ずきんと健康

お散歩の途中の電信柱にも、偶然ユニコーンがいた。みんなちがって、みんな美しいらしい。やさしくてありがユニコーンだよ。

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