シンガポール旅行記

実際に行ってみるまでシンガポールという国が謎でした。シンガポール人っぽい顔とか全然イメージないけどどこにあるの?言語は?っていうかマーライオンって何?

世界のどこかしこも、GoogleやらSNSやらでわんさか出てくる定番スポットの綺麗な写真に見慣れ、なんなら友達の投稿で見過ぎて勝手に行った気になる場所が大半の昨今、勝手なイメージと空想で輪郭があいまいな、よくわからない未知の国が残っているというのはとても幸運なことだと思う。9月のマレーシア旅行でも、まったく知らない場所に飛び込む方が圧倒的にわくわくして楽しい!(ただし治安のいいところに限る)ということをあらためて実感し、今回は高校時代の愉快な仲間たちと特に下調べもせずにシンガポール珍道中に。

人生で初めて海外に行ったのが高校の時の希望者が行く英国研修で、その時に出会った付き合いの長い友たち。完全に自分たちだけの海外旅行に初めて挑んだのも、その後この3人で行った2017年の台湾。なぜか無鉄砲にもWi-Fiを持たずに、友達はるるぶ、わたしはメモとペンだけを持って勇み足で上陸、英語も通じず地図も見れず、ボディランゲージと筆談と気合と根性だけで臨んだ、何もかもが若かった旅。もうWi-Fiはマストだしるるぶも持って行かなくなって旅にも慣れてしまったけれど、大人になっても珍道中の思い出を更新し続けられるありがたさ…

こちらが今回の旅を彩るドタバタトリオ

ところで最近の学びとして、OL旅は平日の仕事終わり(実際は「仕事終わり」という言葉で片付けられるような優雅なものではなく、一分一秒を争い修羅の形相ですべての残タスクを片付け、ありとあらゆるものをかなぐり捨てて命からがら空港に辿り着く、の意)の深夜便で出国をして、滞在最終日は一日フルで遊んだ後にそのまま深夜便で帰る…というのが正解な気がしてきている。

今回は、深夜便で出国→深夜便で帰国して、現地でまるまる3日間観光。社会人になったら貧乏旅は卒業して優雅に海外旅行とかしちゃうんだろうな…♩とか思ってたのに、未だにバックパックひとつで命を削りながらLCCを乗り倒す日々。今回はセールやら諸々の事情やらで羽田発着のJAL便だったのですが、心地良すぎて一生これがいい…ってなった。

1日目 定番観光地を歩き尽くす

足の限界を越えるまでひたすら街を練り歩き、マリーナベイサンズや、念願のSupertree Grove、未来的な植物園ガーデンズバイザベイ(Cloud ForestとFlower Dome)あたりの定番スポットを制覇して、夜は二大ライトショーらしいSupertree Groveのガーデンラプソディ→マリーナベイサンズのSPECTRAをはしごするという漢気あふれる一日。マーライオンは工事中で見れず。嗚呼、マーライオン

巨大植物園の迫力とマイナスイオンの緩急よ

地上から上空の道を見ると気持ちよさそうだけど、実際に登ってみるとそんなこともなかったりするよね、ということわざを作りそうになった

植物園が街の、もっと言えば国のシンボルとなり、求心力を持つ、というのはすごく美しい心だと思う。植物園の外も、街と自然が融合して、人と共生していて、どこもかしこもその風景がすごく好きだった。

シンガポールで一番楽しみにしていたSupertree Grove

霧雨のミストが吹き荒ぶなか見守ったSPECTRA

注目の二大ライトショー。こんなの毎日やってるなんて、とってもバブリー。ガーデンラプソディは、数十分間のショーで変数が音と光のみ(木は動かない)というなかなか難しい縛りの中で、壮大な音楽と、どんどんテンポが上がってくオペラ調の、というかもはやサスペンス風の音楽をできるだけ極端に組み合わせた構成で、できるだけ観客を飽きさせないように頑張るぞ…!という創意工夫が感じられて、謎の目線で「ウンウン…」と共感していた(前にいた欧米系のおじいさんは3分くらいでめちゃくちゃ飽きていた)

SPECTRAは坂本龍一さんの楽曲が使われていて、あらためてとても美しい音楽だなあとじんわりした。このショーは見る場所によってだいぶ見え方が違ってしまって難しかった。が、ラスベガスのような派手さはないけれど、水と光でかっこいい新しいものを作るぞ!という心意気を感じた。なんだか両方とも裏側に透けて見えるお気持ちを鑑賞してしまった。

旅先で人々の信仰に触れる時の、誰かの大事な家を覗き見する感じ

浮かれぽんち、お気に入りのサングラスを初日に無事紛失

2日目 ユニバーサルスタジオシンガポールセントーサ島

せっかくの海外旅行でテーマパーク?とも思ったけれど、友達から「どのモデルコースを見てもユニバが入っていて怪しい、シンガポールはユニバなしでは時間が余る説(失礼)」とのタレコミがあり、せっかくなので開園からフル満喫した。実際その説は間違っていなかった。

日本よりも待機時間と夢と希望が50%OFFのユニバーサルスタジオシンガポール。特にREVENGE OF THE MUMMYが一同気に入りすぎて(スペースマウンテンとインディージョーンズを足したみたいな感じ)閉園間際に最後に乗った後に、まだ行けるらしいぞとそのまま並び直して2周目!という、小学生みたいな遊び方をした。

ノリノリで3回も乗っちゃったMUMMY、入り口の像めちゃくちゃでかい

3日目 お土産ショッピング・何が何でも展望台に登り隊

BACHA COFFEEで優雅に朝ごはんを食べて(とはいえ本店はモロッコ)TWGでお土産に紅茶を買い、ラッフルズホテルのLong Barで伝統あるシンガポールスリングを嗜む。元々女性向けに作られたという、フルーティーで飲みやすいシンガポールスリングはなんと今だと1杯約4,500円。全然飲みやすくない。

BACHA COFFEEあまりにも洒落すぎている

TWGでは茶葉を計り売りしてもらった

人生で飲んだ一番高いお酒の記録更新

ピーナッツの殻は地面に投げ捨てるスタイル、なぜかお客さんはほぼ西洋人

最終日はマリーナベイサンズのてっぺんに登るぞ!と楽しみにしていたのだけれど、まさかの日時指定の事前予約が必要で全回売切という悲劇が発生。圧倒的リサーチ不足にマリーナベイサンズの足元で全員のテンションが急降下するなか、諦めきれない執念でチケットを買えるサイトをこぞってリサーチしまくり、なんとかその場で日本のサイト経由で定価で購入できた。これぞ奇跡…ありがとうマーライオン

小雨の中、昼から薄暮、光がきらめく日没後まで、一番贅沢な風景の移り変わりを見届けることができた。宝石みたいな街。休日も働いている小窓の中の皆さん、夜景を作り上げてくれてありがとう(PN:東京の夜景の中のひとつの小窓より)

シンガポールごはん記録

計画性皆無の、行き当たりばったり旅を生業とする我々。旅程は何の参考にもなりませんが、食への愛と執念はピカイチゆえ、ローカルグルメを網羅しつつ、ちゃんと外さずに美味しいものに辿り着く自信、あります。マレーシアではあまりごはんが口に合わなかったからシンガポールも心配していたけれど、全部めちゃくちゃ大当たりで、みんなにおすすめしたい。

カヤトースト@Ya Kun Kaya Toast

有名チェーンで朝ごはんに食べた、シンガポール名物のカヤトースト。カヤジャムとバターをはさんだカリカリのサンドで、あまりにも素朴な味わいに一同「やさしい…」と呟いた。なぜか卵もついてくる。

チキンライス@天天海南鶏飯

チキンライスだけは事前にリサーチして、君に決めた!と迷わず突撃。文字面と気持ちいい語呂ってことだけなんとなく覚えてて、ずっと「天々天々天津飯(テンテンテンテンテンシンハン)♩」みたいな奴って言ってたけど全然違った。これ、本当に美味しかった。柔らかくてぷるぷるで癖のない鶏肉と出汁の効いたごはん。社食にしてほしい。

チリクラブ@JUMBO SEAFOOD

最終日は豪勢にチリクラブ。到着した日に予約しておいた。エプロンが可愛くてみんなでダブルピースで呑気に写真を撮っていたのも束の間、ドーンと出てくる蟹を一心不乱に殻剥きしなければならない苦行に一同血の涙(と、指からマジの血)を流した。お正月に実家で出てくる、剥きやすいようにはさみの入った、一口ずつカットされた蟹。あれは愛だったのだと気付かされました。とはいえ味は超美味しかった。揚げパンを味の濃いチリソースに浸して食べる至福。そして、おすすめされて頼んだスイカジュース!爽やかな喉越しと甘みにノックアウトされた。

肉骨茶@SONG FA

昨今、毎年必ずビブグルマンに選出されているらしいバクテーのお店。カジュアルどころか気取ってなさすぎる路面店!そこで秒で出てくる映えない肉と汁!と若干疑心暗鬼になるも、滋味深いお出汁とほろっとした食べ応えのあるお肉、シンプル・イズ・ベスト、完敗です。そうだよね、人間と同じで自信があれば素材だけで勝負できるよね。海外で食べたとか関係なく超美味しくて、地球は丸かった。

BACHA COFFEE

特にSNSにも載せないから日頃まったく映え写真を撮らないわたしですが、図らずも近年自分で撮ったごはんの写真の中で一番キマってしまった。何を頼んでもテーブルが貴族の仕上がりになるお店。百科事典みたいな目録からインスピレーションで選んだコーヒーと、バター丸ごと入ってくる?!ってくらいじゅわっと溶け出すクロワッサン、トリュフの効いたオムレツ。見た目も中身も間違いなくってほくほくした気持ちをありがとう。

ペーパーチキン@ヒルマン・レストラン

ネットで見つけて、美味しそう!と行ってみた中華屋さん。とにかく日本人にウケているらしく、結構入店までに待ったけれど、出て行くお客さんも店内にいる人も8割方日本人。あまりにも日本語しか聞こえないからたまに日本にいるのかと錯覚しそうになった。このペーパーチキンが名物(紙の袋の中で、チキンを調味料に漬け込んだ状態で茹でる?らしい)色んなものがちょっとずつ食べれて楽しかった。酢豚が美味い。

番外編

シンガポールのご当地ビール Tigerも昼からしっかりいただく

暖かい国にある、オレンジ生搾りジュースの自販機が好きすぎる

総括

シンガポール、現代的な都市と自然と文化が融合された、美しい街だった。先進的で整備された街に、アートや緑が境界線を塗り替えて侵食する感じ、その胸躍るバランスに日々わくわくして、すごく好きな国になった。

昼の緑も夜の光も美しい、贅沢な国

平日に街中を歩いて、丸の内みたいなきらきらビジネス街を歩く色々な人々を眺めるのがとても楽しかった。旅行の醍醐味はやはり人間観察!同じビジネス街でも、曲線がふんだんに使われたオフィスビルに豊かな緑が寄せているのを見ると、ここで働いたらストレスも軽減するのでは?!と思ってしまう(多分そんなことはない)

11月のシンガポール、ありとあらゆるところにクリスマスツリーが溢れていた

日本よりも治安がいいというシンガポール。出会う人もみんないい意味でお節介で優しかった。物価も高いけど、次はマリーナベイサンズやラッフルズホテルに泊まってみたいし、あとマーライオンも見たいし、そしてできれば両親を連れて行ってあげたい。歩き回ると体力を消耗するばかりだけど、同じくらいエネルギーを街から分けてもらったような、道中友たちとずっと「シンガポール、住めるね…」と言い合っていたくらい、わたしにとって水の合う国でした。

2023年11月記

このブログを再開したのが11月。あまりにも時の流れが光速レベルだから忘れたくないことを忘れたくないよー!という縋る思いと、自分の思いや言葉にならずもやもやしていることに、書くことで形を与えられていた日々はもっと健康的だったのでは?と思って、重い腰をあげてみた。

新しい趣味に出会いたいな!という気持ちで、絵も全然描けないのに突然3DCGのBlenderも触り始めた。今はBlender Guruさんのドーナツチュートリアルを一生懸命進めているところ。全然時間取れないけどコツコツやっていけたらいいな。

ようやく無からここまでできたぞ!泣

ある週末は、同期たちと尾瀬にリフレッシュドライブ&ハイキングのはずが、大渋滞にはまって往復8時間半の耐久ドライブと化した。現地滞在15分くらい。よくSNSで見る尾瀬のあの平原みたいな場所は、車で降りたらすぐなのかと思いきや、結構がっつり歩かないといけないらしい(圧倒的リサーチ不足)次回はあの景色を拝むために、泊まりでリベンジするぞ!

来たぞ!感はしっかり出していく

大渋滞にはまるとも知らず、早朝からデコカーで誕生日を祝う陽気な人たち

11月は越後湯沢とシンガポールに旅行も行けた。シンガポール、現代的な都市と自然と文化が融合された、とても美しい街だった。すごく好きな国になった。そのうち旅行記も書けたらいいな。

aurorai.hatenablog.com

去年初めて参戦したラブシャで、軽い熱中症みたいになって地面に座り込んで気持ち悪さMAXで聞いたマカロニえんぴつ。胃液を感じながら「なんか進化しててさらによくなってるやん…」と朧げに思い、単独LIVEでリベンジ。とても軽やかで楽しいLIVEだった。いい意味で余韻が後に引かない軽やかさ。「嵐の番い鳥」の茶番が最高すぎて友達が隣で膝から崩れ落ちていた。

客層が若すぎて、そんなことを思う自分の老化に引く

あと、ここに書くことでもないけれど、11月に失恋しました。この歳で片思いとか失恋とかしてる場合じゃないと思うのだけれど、いつまで不器用に生きてく?!次の日本当に働く気にならず、オンライン英会話で仲良しの先生に泣きついたら、30分間私の比にならないくらいの失恋や裏切りについての経験を話してくれて、「Love yourself. Know your worth. Don't settle for less.」と励ましてくれた。

今月の美味しかったもの

胸躍る盛り合わせ

いちじくとかぼちゃとくるみの幸せ詰め合わせグラタン

ナチュールワイン好きの先輩が連れてってくださった小伝馬町の素敵なワインバー。ワインはもちろんのこと、どの料理も目も舌もわくわくする美味しさだった。

細くてカリカリのポテトが大好き!

表参道のTHE GREAT BURGER。結構並んでたけど回転早くて助かった。ハンバーガー屋さんのハンバーガーが好きすぎる。友達とお揃いでオリジナルTシャツまで買ってしまった。

今月買ったもの

11月は、お恥ずかしいくらい見事にブラックフライデーに踊らされていた!まだ半分くらいしか届いていないけれど、ずっとうっすら「あったら便利なんだろうな…」と思っていたアイテムたちを買うことができてとっても有意義でした。今月の購入品のうち一部のお気に入りたちをご紹介。

トレンチコートみたいで可愛くてお気に入り

100均のじゃなくてちゃんとしたカッパを一個持っておきたいな〜とずっと思っていて、越後湯沢旅行が全日予報だったのをきっかけについに買えたポンチョ型のカッパ。adam et rope別注のKiU。着ていると無敵感と可愛さにかなりテンション上がるので、この勢いでレインブーツを買って雨の日もウキウキウーマンになりたい。

モニターアームのためにこんなにもスペースを取られるという不覚

高さ調整のできないモニターでリモートワークをし続けて早3年目。そこまでデメリットは感じていなかったものの、Blenderと睨めっこしていたら前代未聞の頭痛に襲われる大事件が起きて、それが首こりが原因ということに気付いて「今だ!」と購入したモニターアーム。エルゴトロンのLXの白。位置を決めるのが下手すぎて何度も組み立て直して、仕事の休憩時間に15分くらいで組み立てちゃお♪くらいの気持ちだったのに、普通にYouTube見ながら2時間くらい格闘して本当に涙が出るかと思いました。

パウダーソフトダウンジャケット(NANODESIGN)

セールで7,990円になっていたユニクロのダウン。めちゃくちゃ軽くて温かくて最高!イエローとグレーで悩み、選ばれたのはイエローでした。PC診断で1st ライトスプリング、2nd ライトサマーで、とにかく彩度の高い淡〜〜い色を着まくれ!というアドバイスをいただいてから、無意識にそういう色を選んでいて趣味が変わりつつある(素直すぎる)まったく同じダウン着てる人とすれ違うと、さすがユニクロ…って感じで若干気まずいけど、あと会社で絶対「黄色い人」って思われてるけど、文句なし100点ダウンなので大満足。

なくさないように頑張るぞ

一目惚れしたタリーズ×ハリーポッターの栞。こういう金属製のかわいい栞、美術館や雑貨屋さんなどで出会った時にコツコツ収集するのが割と趣味になっている。

今月の映画・本・音楽など

replica

replica

  • Vaundy
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

Vaundyの2nd アルバム、思わずCDを買いたくなっちゃうようなパッケージで(CDプレーヤーがないので買えない)何より曲数にビビる。なんか最近毎月シングル出してない…?と思っていた時期がありましたが、なんとDisc12あわせて35曲!すごすぎる。旅行記に「呼吸のように」がよすぎて打たれたことを書いたけど、「replica」とかの新曲もUKロックっぽい雰囲気で、これまでのVaundyを塗り替えるような新しい顔にビビり続けた。

幸せのまわり道

幸せのまわり道

  • Bialystocks
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

2023年はBialystocksの音楽をよく聞いた一年だった。彼らの音楽は空気がきれいになるような感じがする。ヒーリング音楽じゃないのに耳から内側まで浄化される感じ(最近柔軟剤のCMに起用されているのも納得)

ようやく見れた。素晴らしい瞬間がたくさんあった。想像の100倍よかった。軽いテーマではないけれど、みんな一生懸命でたまに剥き出しで泣きたくなる。雨が似合う、美しい作品だった。

さいっこうだった!こんな夢みたいにハッピーな作品ある?!どんどん盛り上がるマジック、どんどん脱いでくヌードデッサン(と、果物!)中盤からの多幸感、きらめきが唯一無二で、大好きな映画になった。

初めて見た時に寝落ちしてしまい、なんだかおしゃれで長くて難解な映画…と勝手に偏見を持って遠ざけていたけれど、その自分を張り倒したいくらいドンピシャだった。全ての瞬間に心掴まれた。おかしみが潜む、素敵なやりとりの数々。夢を夢のまま終わらせない、淡々としてちょっぴり切ないラストが忘れられないよー。11月に見た映画、かなりビビッとくるものに3本も出会えるといういい感じの打率で嬉しかったです。

越後湯沢旅行記

週末のゆったりリフレッシュ1泊旅行にはまっている昨今。今回は、早起きして行くぜ新潟!まさかの雨、極寒の越後湯沢。降り立った瞬間からスキー場の冷気にひやっとする。

街と山が地続きで共存している

初日は、レンタカーで紅葉の残った山の中腹やら裾野やらのカーブを走りに走りまくる!走っている車がほぼいなくて、ペーパードライバーにも嬉しい。

ずっとこんなうねうねしたwinding road(懐)

雲が煙る風景がとても美しくて、似たような写真ばっかりなのにずっと写真を撮りたくなってしまった。初めて旅行で雨でよかったと思った。

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清津峡、星峠の棚田、お蕎麦、素敵な佇まいのカフェ、釜飯と日本酒で晩酌、そして温泉。音楽を流しながら車を走らせて、たくさんたくさんしゃべった。

清津峡の水面鏡、もっと評価されるべき

へぎそばを食べにきたのにざるそばで落ち着く

辺りいっぺん、どこまでも静寂の中でこの景色を見て圧倒された

釜飯って大好き!

2日目も車で走りまくる。ロープウェイでアルプの里に行って、お腹いっぱいちらし寿司を食べて、午後はまっすぐな高速をまっすぐ走って、西福寺で雲蝶のすごい透彫を見た。雨予報だったのに晴れた日の嬉しさよ!帰りは念願のぽんしゅ館も。

終わりかけの紅葉も寒々しくていいね

越後湯沢を一望、ミニチュアみたいな風景

欲張りちらし寿司!他にも頼んでたら「そんなに食べれる?」って心配された(食べた)

ゆっくりリフレッシュしよう、というコンセプト通りの素晴らしい旅だった。

最近30歳になった同行者、婚活やらクォーターライフクライシスやらで去年は本当に見ていて辛くなるくらい苦しそうで、もがいていて、暗いトンネルの中を歩き続けるような時期だったのだけど、清津峡の小雨が降り止まないトンネルで、彼女がすっきりした顔で「29歳は本当にいい一年だった。死にたいくらい病んだけど、濃密で、充実していて、がむしゃらで、自分を抱きしめたいよ!」と言っていて、辛い時期をかけがえのないものだと思えるって、強くてかっこいいと思った。

セルフハグで生きてこ!

きれいなものを見て、澄んだ空気をいっぱいに吸い込んで、静寂に触れる。遠くの葉ずれの音が聞こえるような静寂。田舎暮らし18年の当時のわたしには「何をお高く止まってるんですか?」と言われそうだけど、今のわたしには本当に必要なもので、心の栄養になる2日間だった(大袈裟でなく、普段の東京生活で静寂に出会うことはほぼない)

こういう週末を積み重ねていきたいよー。と、決意を新たにした。帰りのバスで、都会の光と窓を流れる雨粒をぼーっと眺めながら初めて聞いたVaundyの「呼吸のように」があまりにもよすぎて、旅行の思い出に刻まれるくらい鮮烈だった。

呼吸のように

呼吸のように

  • Vaundy
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

越後湯沢とってもいいところ。今の心のトーンにぴったりの、心に染み入る旅だった

2023年10月記

大学生がやるような遊びは大学生の間に十分楽しみきったような気がしていたけれど、20代も半ばになって周囲も自分もなんだか思い出したかのように童心が蘇ってきて、青春ごっこが止まらない!

街角で見かけて卒倒するかと思った

友人宅にわらわらと集い、14時から終電までぶっ通しで『お笑いの日』そしてキングオブコントを見た。全組面白いことってあるんだ…とびっくりした。カゲヤマの1本目から爆笑しすぎて何かがカンストした。1日ずーっとテレビ見るって体力使うんだなあ。そのくせに、駅まで徒歩6分 by Google Mapのところ、家を出たのは終電まで残り3分のタイミング、近年でも類を見ない全力疾走をする羽目に。無事電車には乗れたけれど、そこから最寄りまで一時もおさまらない悪寒と吐き気。一緒に乗った先輩も同様で、一言も話さずにお別れした。体はちゃんと年老いているぜ…

小心者なのでアクセルを踏んだまま曲がれない

一週間後、同じメンバーでまさかのオールでドライブ。華金の仕事終わりにマックでドライブスルー、夜の海ほたるで真っ暗の海を見ながら潮風を浴びて、懐かしの大景園でゴーカート、そしてそのまま山梨まで走ってほったらかし温泉で朝日を迎える。

なんでもない土曜日でも、日が登る前のほったらかし温泉(極寒)ってあんなに混んでるんだね?!猿みたいにみんなで湯に浸かって日の出を拝む幸せ、夜景が薄く滲んでぼーっと明るくなっていく朝の美しさ。一日が始まるってなんて美しいんだろうって感動しちゃった。

紅葉の真ん中にいる陽気なコンビが我々

できるだけ穏やかで近場で森林浴を楽しめる山を求めて、都内の三頭山にも登った!1〜2年前に筑波山を登った時は登りが辛すぎて辛すぎてもうどうしようと思った記憶があるのだが、かれこれ2年弱ほど続いてるキックボクシングの成果(?!)か、全然辛くなくて終始絶好調だった。ただ何度も足を捻りそうだったので、次回までに登山靴を買うぞ。

登り2時間半、下り1時間半?

美味しい空気を胸いっぱいに吸いながら、終始リラックス&リラクゼーション。こうでなくっちゃね!紅葉も見れたー。いつだって秋はいつの間にかいなくなっていて悔しくなるけれど、今年はたくさん紅葉を見て秋の空気を吸って、秋のためにかなり前向きに行動できたので悔いなし!

今月の美味しかったもの

ブルスケッタ・愛

ずーっと行きたかった生粋!一番好きな食べ物を聞かれたら、どんな場面でもTPOを弁えずに「焼肉」と即答するわたくし。なかなか行く機会がないなあと思っていたけれど、食べログでちょうどいい時間の空き枠を発見し、人生初の「予約を押さえてから人を誘う」というのをやりました。幸せが止まらなくて夢心地の時間。働く理由をありがとうね…

今月買ったもの

本当は太陽光に透けた方がきれい

初めて会う人から集合時間を過ぎてからもまったく連絡が来ず、舐めんなよ@表参道の気持ちで買い物モードに切り替えたら、運命の出会いを果たしたYAGAのリング。形はごついけど、ガラスだから透明感があって、日に透けるとすごく美しくてうっとりしちゃう。

今月の映画・本・音楽など

今月は若干仕事が落ち着いていたからか、映画も本も結構触れられた。特に記憶に残った作品たち(ネタバレ含みます)

何気に見たことのない名作を一気見ウィーク。超有名だけど三部作だけなんだ!というのと、いや1本3時間あるんかい!という、色々マシマシな濃厚シリーズ。誰もがサムが主人公だという理由がやっとわかった(皆さんと握手)移動が全員全力疾走か小走りなのかなり画期的だと思う。

思っていたより暗くて絶望的な世界観に驚いたけれど、ひとりまたひとりと退場していく様と音楽、独特な雰囲気を確固たるものにするあの深遠なエンドロール!最後すべてが解決してめでたしめでたしとならずに、フロドの影を落とすエンディングが、このシリーズをより傑作にしていると思う。ずっと三浦しをんさんのエッセイを読んでいたので、「これがアラゴルン…!」というのもアハ体験でした。

 

シャロン・テート事件などゴリゴリに予習して臨んだので、長い前半を見ながら、あんな結末になっちゃうのか…え逆にこのふたりが犠牲になるの…?!とドキドキしながら見ていたら、想像の斜め上を行くはちゃめちゃ復讐劇で笑ったw とても好きです。タランティーノ監督はなんだかグロいイメージがあってあんまり見てこなかったけれど、これから見漁りたい。

 

川上未映子さんのエッセイ。本屋さんで何の気なしに立ち読みしたら、怒涛も怒涛の勢い!熱!に圧倒されてそのまま購入。息つく暇もなく感情を吐き出す感じが、これまで読んだどのエッセイとも違ってすごかったー。

 

僕が僕であるために

僕が僕であるために

  • provided courtesy of iTunes

関ジャムの尾崎豊特集の録画を見て、真っ直ぐな歌と真っ直ぐな声に改めて打たれてしまった…本当に時代の人だったのだと思う。友達がカラオケで「シェリー」と「Forget-me-not」を歌ってくれてすごく良かった。ドリカム特集を見てからは「す き」と「決戦は金曜日」も止まらなくて関ジャムに影響を受けすぎている。

 

在宅勤務にチャリ走らせて公園でご機嫌ランチ(働け)

兎にも角にも、秋の気候が素晴らしくって、それだけでなんだか幸福度がちょっと高まるような日々。秋の空が高く感じるのは、雲が高いところにできるから、本当にそうなんだよっていうことを初めて知った。出産間近の地元の親友にも会いに行けた(まだ見ぬ息子のことスシローって呼びかけててごめん)残り少ない年内、やり残したこと全部やるぞ!

森の中で脱力するわたくし、年末まで残りHP足りそう?

超初心者OLによるクロスバイク購入記

うわーお久しぶりです!日記とか手元では色んな記録を残していたのですが、最後のブログが2019年でびっくり。2023年、社会人3年目。平日はなかなか仕事が忙しくて余裕がないけれど、映画見て本を読んでお散歩して、料理して、旅行に行って山に登って温泉に入って、美味しいものをたくさん食べて、愉快な毎日を過ごしています🙂

社会人になって、週4~5でリモートワークの毎日。あまりの運動不足に、ついに体の方から「動きてえ…!」という欲求本能がうごめきだし、引きこもり力に定評があるわたしですが、キックボクシング、登山、水泳、スカッシュ、など運動音痴の限界突破チャレンジは続く。大阪で関西一辺の営業をしていたのに免許停止になった兄(涙)が移動手段としてクロスバイクを買って、それを借りてからというもの、ママチャリには10年以上乗っているというのに今更新鮮に「チャリ楽しい…」と気付く。

兄のGIANTで初のサイクリング28.3km、帰りはもう足が回らなかった

ただ都内だと危ないし乗るところないし盗まれるかもしれないしな…と延期していたところ、同じマンションに住む友達がかっこいいチャリを買い、うわ〜〜〜いいな〜〜!と背中を押され、ついに初のクロスバイクを購入!

なーーーんにも知識がないので、右往左往しながら初心者なりに色々調べて調べて、チャリ屋をめぐって、お気に入りの一台に出会えました。自転車沼ってあまりにも深すぎて、THE うぶな初心者向け(特に、細かな性能云々よりデザイン性とかも加味して選びたい女性向け)の情報がなくて困っちゃったので、わたしが悩んだブランドと経緯を記録しておきます。

いいな〜〜と思っていたブランド候補

ネットの情報はもちろん、気が向いた時にチャリ屋をめぐって、これ素敵!と直感的に思ったモデルやブランドを調べていく、この過程が楽しかった。

クロスバイクを探し出して、一番と言ってもいいくらいよく目にするのが「クロスバイクを買うならロードバイクを買うべし」論。理由は色々あるようなのですが、兄のTREKロードバイクを何度か借りたことがあって、値段も性能もガチなことに気後れしたのとドロップハンドルが怖くって、わたしのように街乗りも全然する超初心者OLには普通にオーバースペックだわってなった。クロスバイクが気楽でちょうどよくて万々歳。

クロスバイクを選ぶにあたって、そもそも知識が乏しいので特別なこだわりはなく、わたしが重視していたポイントとしては以下で、用途は街乗り+休日にちょっと遠出したいなあというくらい。あとはもうフィーリングです。生活を共にするたった一台のベイビーを選ぶ!それだけ!

  • 初心者向けのシンプルな構造とメンテナンス性
  • 軽量であること(漕いだ時に風みたいで気持ちいいから)
  • タイヤが細すぎない(子どもの時、自転車で歩道の溝を乗り上げようとして失敗してすっ転んで爪が剥がれたトラウマがある)
  • 見た目が気に入ること(ロゴがでっかくどん!って入ってないやつ)
  • 値段は10万円に収まるくらい
Cannondale

無骨でスタイリッシュで超すてき

調べればすぐヒットする王道ブランドのなかで、GIANTもTREKもMERIDAもGIOSもルイガノもその他諸々も刺さらなかったわたしですが、キャノンデールはなんだか超かっこいい!フォルムもカラーリングもスタイリッシュでとっても好き。この写真のレディースライン、Quick Womenシリーズが気になっていたけれど、あんまり情報がなくてチャリ屋でも見つけられず、結局良いも悪いもわからないままなんだかんだ選ばれなかった。縁がなかったということかな…。いつか乗りたい。

https://www.cannondale.com/ja-jp

TOKYOBIKE

パリとかヨーロッパの街並みが似合うね

清澄白河で1日レンタルをやっていて、友達と清澄白河豊洲→お台場→レインボーブリッジ→突然西に突き進んで等々力公園まで、往復43.6km爆走した思い出のチャリ。店舗もチャリのカラーもはちゃめちゃに可愛いんだけど、ベーシックなモデルのMONO(セミアップハンドルでホリズンタルフレーム)とLEGER(プロムナードハンドルでよりシティっぽい)にはギアがない、ギアがついたスポーツモデルもあるにはあるけど…という感じ。おしゃれだけど、他ブランドに比べるとモデルも性能もクロスバイクというよりはシティサイクルに近いのかな。デザインも大事といえども(値段も前述の2モデルは6万切るくらいだが)やっぱちゃんと走りたいよ〜と思い候補から外れる。

https://tokyobike.com/

FUJI

昔のヨーロッパのモノクロ映画とかに出てきそう

ブランド名がすでによい。フジ自転車なのもよい。クロスバイク買うぞ!となった時から、フィーリングでFUJIはかなり好きで、いいのあったらFUJIに決めちゃおうかな〜〜と思っていました。ただ、ヴィンテージっぽくておしゃれなBALLADや周辺モデルはタイヤが細いことや気取りすぎてる感じ(自意識)がちょっと気になり、じゃあRAIZ?となるもピンとくる色がなく、なんとなくどれもハマらなかった…。個人的には派手めなカラーの車体×派手色の「Fuji.」のロゴが入ったモデルがあったら超イケてて流行ると思う。

https://www.fujibikes.jp/

Bianchi

実物の方がきれいな色

新宿のワイズロードに偵察しに行った時に見かけて、特に選択肢に入っていなかったのに「生で見るチェレステカラーめちゃくちゃかわいい〜〜!」と一気に気持ちが早変わり。初音ミクみたいな色だと思っていたけれど、実際見たらティファニーでした。ただ価格vsグレードがあんまり見合わない気がしたのと、「THE」すぎて盗難が怖いなあという不安、さらに地元の駅の地下駐車場でこのチェレステカラーを一度に3台見つけてやめました。あとサドルがお尻痛そうだった。

https://www.japan.bianchi.com/

MARIN

ちょっとストリートっぽくてかっこいい

友達が買ったチャリ。マウンテンバイクっぽいモデルが多いような気がする。シティ感とアウトドア感の塩梅がとてもおしゃれなブランド。友達に試乗させてもらったら、タイヤ太め&重めでどっしりとした安定感がある(そのモデルがそういう車種だったのだと思う)ブレーキのオイルとかチェーンとか、買ったばかりなのにちょっとずつガタが来ていてメンテナンスが大変そうだったのもあり、軽いチャリを探していたので諦める。

https://marinbikesjapan.com/

tern

くすみカラーが可愛い

おしゃれなチャリ屋でよく見かけた。新しめのブランドなのかな?くすんだブルーやベージュとかもあって、カラバリがセンスいいな〜〜と思っていた。わたしが検討していた時期だけかもしれないけれど、なんにせよクチコミを見ない。これ!っていう決め手もなく、視野の隅で捉えたまま候補には入らなかった。

https://ternbicycles.jp/

RITEWAY

すべてがちょうどいい一台

来ました、大本命RITEWAY!一方的に知っているご近所さんがRITEWAYのマットダークブラックオリーブという濃い深緑のとっても素敵なカラーリングのクロスバイクに乗っていて、ほほおんと気になっていたブランド。このオリーブカラー、深みのある本当にきれいな色なのでぜひ見てみてほしい。一番ベーシックなRITEWAY Shepherdはホリズンタルフレームでデザインもカラーリングも素敵なのに、性能や細部のパーツにもこだわっていて(どのブランドもそうでしょうが…)初心者でもチャレンジしやすいのに痒い所に手が届く感じ。タイヤ太め、ロゴ小さめなのもよい。デメリットといえば取扱店舗と在庫が少ないことくらいなのでは(コロナが関係していたのかもしれないが)

https://www.riteway-jp.com/bicycle/riteway/

結論、わたしの相棒となったRITEWAY Shepherd

色々検討したものの、長く悩みすぎて決められず、このまま買わずに終わっちゃいそうだな…と思っていた矢先、RITEWAYをメインで扱っている素敵なチャリ屋さんで目をきらっきらさせた自戦車好きの店主さんと出会い、本当によくしていただいて、欲しい色×サイズの国内在庫ラスト一台がそのお店の倉庫にあるということがわかり、これぞ運命だ…!と意を決して、RITEWAY Shepherdのシャンパンゴールドを購入しました。

金というよりは銅に近いきらきらカラーがまぶいぜ

サイズは24", 26", 700Cの3種類があって、168cmくらいのわたしは身長的にはちょうど26"と700Cの狭間なのですが、試乗させてもらった乗り心地がしっくりきた&店主の審美眼のお墨付きで、一番大きい700Cにしました!

  • シンプルな構造で、パーツはすべてSHIMANO
  • 軽くて漕ぐのが気持ちいい(重量10.7kg)
  • ホリズンタルフレームとめずらしい色味が気に入った(ロゴも小さいよ)
  • タイヤが35mmと太め
  • 値段も税込¥78,320と良心的

↑ こんな感じで、当初重視していたポイントも無事クリア

www.riteway-jp.com

いざクロスバイク生活をはじめると、なんで今まで買わなかったんだろう?!というくらい、毎日がとっても楽しい!軽い自転車にしたのは正解でした。漕ぎ出しも漕いでいる時もママチャリとは圧倒的に異なるスピード感と心地よさ。日々「気持ちいい…風になった気分…」という夢心地と「今マジで生と死の境にいるわ」という緊迫感でヒリヒリしたチャリンコライフを送ってます。納車してから一週間くらいは嬉しすぎて、平日22時まで働いてヘロヘロで帰宅したのに、そのままチャリで意味もなく自宅の周り一周とかしてた。犬かよ。

都内あるあるの、歩くと遠いけど電車では行きづらい場所とか、ちょっとした移動とか、いやなんなら電車でいけよ!というところまで、チャンスを見つけては愛しの相棒で西へ東へ東京を走りまくる日々。移動が思考を変え、視野を広げるのだと痛感する。毎日が移動祝祭日!世界が広がるってやっぱり楽しい。

唯一不便なことを挙げるとしたらカゴがないこと、ただそれだけ…。カゴがあればすべてが解決する瞬間が結構ある。ただ、クロスバイクにカゴをつけちゃうとどんなチャリも一気にダサくなるから…ただそれだけなんだけど、すべてが無に帰すくらいダサくなるから…それでも意を決してカゴを外付けしようとしたらおしゃれな友達に「ダサすぎて本当にありえない絶対やめて」とガチでフィードバックをもらったので…ギリギリ堪えてます。

 

↓ 自転車メーカーをアパレルブランドにたとえる雑談動画が面白かった。GIANTがユニクロというくだりでウケた。

www.youtube.com

 

隙間を埋める日記

実家ニート生活を抜け出して東京に進出したのが7月の終わり。一日ずつ一週間ずつ、東京の空気は肌から当たり前に浸透して、ああそうだったよねって思い出したように細胞がまた活動を始めて、あのスウェーデンでの一年間が嘘だったみたいに昔と変わらず東京を生きている。

気付くともうどこにもいない夏は、インターンに行ったり、インターンに落ちたり、美味しいものを食べたり飲んだり、友達と再会したりして過ごしていた。前回の日記でやぶれかぶれに就活から垣間見える社会というものの実体に怯えていたわたしですが、意外とちゃんと就活生になりかけている。逃げるよりも向き合うほうが楽だと思えてきた。

まだ本選考が始まっていないからかもしれないけれど、インターンなどで出会う人たちとの一期一会は思っていたよりもかなり楽しい。THE私大文系で国公立や理系院生との接点がほとんどない大学生活だったから、自分や自分の近くの領域とまったく違う世界での生活や研究や考え方がとても刺激的でわくわくする。

相変わらず自分にがっかりすることはたくさんあるけれど、花火も浴衣もフェスもない文字通り日々を駆け抜けるように必死だった濃密なこの夏をわたしは結構誇らしく思っている。だけど実家にいた頃から今この時まで、冗談でもなんでもなく一週間とか二週間単位で気付くとごっそり時が過ぎている感覚で(実際ストレスか何かでまつげが部分的にごっそり抜けて泣きました)、メンタルというか生命力みたいなものを消費というか消耗している感覚がすごく強い。そのことに危機感を覚えることもあるけれどどうしようもできなくて、少しでも心を強く保つために、週末は相変わらず底の方まで沈みながら眠り続けている。

 

この日記を更新していない間に就活以外で何をしていたかというと、まずはお酒を飲んでいた。留学中にビールが大好きになってしまったもので、お酒への愛と脆弱なアルコール耐性の隙間を常に攻めながらお酒を飲んでいた。新宿の野外上映祭や地元のワイナリーツアーやビアガーデンや日本酒バーに嬉々として出没していた。太った。美味しいものが好きだというシンプルかつ揺るぎない愛を強い気持ちで再確認しながら、美味しいものに囲まれた生活をしている!

あとは、ディズニーに何度か行ったり、バーベキューで唯一の夏の匂いに浸ったり、餃子パーティしたり。にわか最前線でラグビーを応援してパブリックビューイングにも行った。ここ一ヶ月では、マンモス展と東京国際映画祭と偶然誘われたミセスグリーンアップルのライブに行った。忙しいけれど、疲れも含めて楽しい日々です。

バイトも、留学前に働いていたところで再開した。tumblrを見返したらバイトをやめた日のセンチメンタルな日記が残っていた。

ドアを閉めて出て行く時、「一年経ったら、気まずくてもう来られないと思うかもしれないけど、全然そんなことないからね」と言ってくれた。大人は時の流れの重みを知っている。一瞬で過ぎていくから軽いなんてことはない。一瞬のうちに過ぎていくその時間の中でたくさんのことが起きて、つながりなんて簡単に切れてかっこよくてなしさを知っている。たった一年なんて離れるには十分な時間だ。わたしは、今の大好きな人たちと、離れずにいられるだろうか。会えなくても、関係は変わってしまっても、心は手の届く距離にいられるだろうか。

読み返すとやたらセンチメンタルで恥ずかしいけれど、帰り道なぜだか涙が溢れ出てきたあの日のさみしさとか、取り返しのつかないことをしてしまったような焦燥感とか、あの時の感触を今でもしっかりと覚えている。いざ戻ってみると、拍子抜けするくらいに当たり前みたいにその空気に馴染んでいる自分がいて、メンバーも雰囲気もまったく違うのにそれでも同じ安心感の中にいられることをすごくありがたく思っています。

 

あとは、相も変わらず本を読んで漫画を読んで映画を見て音楽を聴いている。それだけで何度だって新しい感動に日々出会えることがうれしい。特にこの夏は漫画をたくさん読んだ。

ハイキュー!! 40 (ジャンプコミックス)

ハイキュー!! 40 (ジャンプコミックス)

 

いつだってわたしのこころのど真ん中を射抜いてくるのは『ハイキュー!!』なのです。物語を追いかける上で、いつかいつだって来ることはわかっている終わりというものの始まりにすでに泣いています。わたしにできることは最後まで強い気持ち・愛で受け止めることと応援することだけなので(単行本で買っているのに耐え切れずよく「ハイキュー 今週」でエゴサしてしまう罪を犯しながら)覚悟を決めて追いかけている。

完結後数週間は虚無と化す自分がありありと見えるけど膝をつかずに生きていこうと思う。仲間が重荷だったことがあるか。今巻も抜群によかった。超能力も魔球もない正真正銘生身の彼らの言葉・プレーひとつひとつがわたしのサビなのです。 

アオアシ(17) (ビッグコミックス)
 
モブサイコ100(16) (裏少年サンデーコミックス)

モブサイコ100(16) (裏少年サンデーコミックス)

 
進撃の巨人(30) (講談社コミックス)

進撃の巨人(30) (講談社コミックス)

 
ゴールデンカムイ 19 (ヤングジャンプコミックス)

ゴールデンカムイ 19 (ヤングジャンプコミックス)

 

最近読んで面白かったもの。少年ジャンプで育ってきた人間なのでやはりTHE 少年漫画に弱い節がある。『鬼滅の刃』も一応読んでいるけれど、かわいい絵柄でガンガン人が死んでいくので心が追いつけていない。 

六本木でやっていた「進撃の巨人展 FINAL」、チケットが高くて恐る恐る行ったけれど、価格に値する素晴らしさだった。ラストスパートの伏線回収の出来によってこの作品の評価は大きく影響されると思うけれど、どちらにせよ何十年後かの世界で手塚治虫作品並みに語られる傑作であることは間違いないと思っている。形而上的なこの世界の不条理や善悪を、物語というものを通して確かな痛みとして現実に落とし込んでいる。胸をえぐる哲学。純粋な気持ちではやく最終回を読みたいと思える漫画というのはやはり名作であると思う。著者インタビューの狂気っぷりもよかった。

わたしがこれまで読んできた漫画からすると、かなり異色だった『モブサイコ100』も、がっつり素晴らしかった。絵の平易さが奥深いメッセージをシンプルに放ってくる。泣きながら最終巻を読んで、満たされた気持ちで閉じた。

天使なんかじゃない 完全版全4巻 完結セット (愛蔵版コミックス)

天使なんかじゃない 完全版全4巻 完結セット (愛蔵版コミックス)

 

この夏に通して読んだ『天使なんかじゃない』はマリリンの凛とした強さと可憐さ、完全に当て馬だったけれど馬鹿みたいにまっすぐで眩しいケン、ライバルかと思いきやどこまでも美しく自分の道を歩き続けるマキちゃん、好きな人のことを心から好きなしのちゃん…みんなみんな愛おしかった。主人公の2人ももちろんだけれど、マリリンと翠の深まっていく友情にやはり胸を打たれてしまう。恋をしたら、情けなくてみっともないこと、いっぱいあるよ。天ないは永遠の青春だ!出会えてよかった。

春と夏の間のトンネルを抜ける日記

鳥のさえずりで目が覚める。他のどこでも聞いたことのない透き通った音階に聞き惚れる。朝日の柔らかさに目を細める。新緑の匂いがいっぱいに詰まった空気を吸い込んで一日を迎える。そんな春の記憶。

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5月。並木道に風が吹いて、葉が揺れる音の交響曲みたいな、贅沢な重なりを聞いた。サラサラという音が、速くなったり、低くなったり変化して、それぞれの音が重なることで、奥行きを増していく神秘的な美しさがあった。

波の音のように聞こえた。雑草の透明感にどうしようもなく心震える日がある。木漏れ日、という美しい言葉は日本語特有のものだと知った。

 

6月。この北の地にも梅雨は来るらしい。日中は蒸していて、肌の下に侵食した湿度の高い空気が、体を外側から潤わせようと企んでいる。その水分に反応して、緑がむくむくと生い茂っていく様が、目でも肌でも否応なく感じられる。わたしまでむくむく育ちたくなるような空気の密度。繁茂、なんて言葉どこで使うんだって小学生の頃漢字の練習をしながら思っていたけれど、今でした。繁茂という二文字以外に表せないような緑の生きる姿にやっと出会えた。本当に目を見張るほどの成長速度で日々驚く。

このままいけば、街は緑に覆い尽くされてしまうかもしれない。そんな景色を見てみたくなるほど、意思を持った生命がこの地の政略を目論んでいた。

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6月のある日、19時半を回ったところ、まだ日は暮れていない。嘘みたいな夜の手前。

蒸していた湿度だけが消えて、冷たい澄んだ空気に、昼の間に蓄えた花の蜜の味が秘められている。新緑の豊かな匂いだけが空気に残っていて、梅雨はこのための季節かもしれないと思った。

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キャンパスから外に一歩足を踏み出して、すうっと吸い込んだ空気に満ちた自然の香り、その甘さに驚いた。空気に花の匂いが宿るということ。

雨を描かずに梅雨を描いてください、と言われた時の模範解答。

 

忘れたくない忘れたくないと願うことしかできないわたしは今日も美しい春に泣きそうになりながら、何かがこぼれおちていく感触だけを抱えて今日もバスの外を眺めています。子どもが世界の神秘に日々新しく感動するように、最初で最後の春に何度でも驚いたり涙が滲んだりしながら、あと少しで日本に帰るわたしは、ここに置いていくもののことを考えていた。こんな感傷は、最初で最後だとわかっているから、ただそれだけの理由で迫ってくるのだろうか。

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今日もフィルムカメラみたいな美しい午後だった。こんな春をわたしはいつかきっと忘れてしまう、それだけはわかっている。

いくら悲しいことが起きても、絶対にもっと悪いことが起きるはずだ、なんて呪文は簡単にかけられるのに、嬉しいことがあっても次はもっといいことが起きるなんて思えなくてなんだかひどいことが起きてしまうんじゃないかって不安で仕方なくなる。

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だけど今日、これ以上ないと思っていた美しい春よりも、もっと美しい春がたしかに存在してるということを知った。本当にきれいで力強くて、その確かさに無性に泣きたくなった。いつだって強いものに憧れている。あと一月でわたしはいなくなる。それでも時は流れて、わたしを忘れたこの街に変わらず儚い夏が来る、明るい秋がくる、寂しい冬もくる。そしてまたこの美しい春はたしかにここにくるんだ、わたしがどこにもいなくても。それが寂しくてとても嬉しい。わたしの過ごせない夏や、行けなかった街、知らない花の名前、見逃したたくさんの美しい風景を思うと崩れそうになる。この痛みを愛している。