2024年10月記

10月の仕事は上半期の嵐のような日々が嘘だったかのような静けさで、その暇という名の恵みをしめしめとありがたく享受しながら、こんなに遊んじゃっていいの?うん、いいよねえ!とセルフ太鼓判を押して、好き勝手に楽をしていた。おかげさまで脳はだいぶ錆びついてきて、たまに会議を仕切るときはMCちいかわによるアワアワほわほわ(?)タイムが発生しているが、逆に社内外の皆さまの自己肯定感UPに貢献していると信じたい。

仕事が激烈じゃないとこんなに平和なんだ…日々が満たされるんだ…と穏やかな充足感にセルフハグ。そういえば、毎年クリスマスにスウェーデンから贈られてくる友達のご両親からのメッセージは、いつも"Puss och kram"という言葉で結ばれている。英語にすると"Kisses and hugs"、つまりaiko流の愛。今年ももうすぐその時期がやってくる。

 

 

念願のリベンジ尾瀬、天国みたいな陽の差す野原

ハイキング→ビール→山小屋泊→ハイキング→焼肉→銭湯→ビール、の100点満点の週末。

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新潟旅行、back numberのライブは二度目でも涙が出ちゃうね

ご縁あってback number × My hair is badの対バンチケットを入手したので、フジロックで越後湯沢に滞在したのを除くと初めての新潟へ。

 

去年初めてback numberのライブに行って、青臭くて愚直で切実なMCにもう号泣してしまったのだった。今回も、素晴らしいパフォーマンスと変わらないMC(本人も泣いていた)にまたもや涙が止まらず、別にわたしは熱狂的なファンとかではまったくないのだけど、なんというか変わらない不器用さが胸を打って、失礼だけど、あんた本当ずっと生きるの下手くそじゃんね…と肩を組みたくなるような1対1の空間がたしかに存在していた。

わたしが初めてback numberに出会ったのは中学生の時にTSUTAYAで偶然見つけたインディーズ時代のCDで、それからかれこれ10年以上は軽く経っているのに、今でも今の10代にウケてるの本当にすごいと思う(LINEリサーチ 2024:女子高生が選ぶ好きなアーティスト第2位)。どれだけ老若男女に愛される国民的アーティストとて、ファンも一緒に歳を取っていくものじゃない?

「水平線」のヒットはもちろん大きいはずだけど、若者が成熟していく曲がりくねった道のりの、みずみずしい心の動きにいつまでも心が添える(というか、いつまでもそこにいる)というのは、なかなか簡単なことではないと思うんだよなあ。

 

今回は新潟駅周辺、かなりわたしの理想に近い都市かもしれない…。道が広くて空が大きくて自然があって、ほどよく栄えている。かなりドンピシャ。さらにごはんと海鮮とお酒が美味しい、もうこれ以上はないのではなかろうか。雪の時期に行ったら「もう勘弁してください…」となるのかもしれないけど。

東京でもあまり見かけないレベルの素晴らしい古本屋さんに出会って、ちょっとびっくりしちゃった。この選書を古本でするってすごい

スタバのお姉さんが似顔絵を描いてくれた(描きましたとも言わずに!粋だわ)

 

街中の市場でお刺身と丼を買って贅沢なお昼ごはん。五感全部が新鮮さに唸っていた。新鮮な貝、新鮮なウニ、新鮮ないくら、ああこの上なく嬉しい気持ち。

 

別日のお昼ごはんに、しっかりリッチなお寿司も食べた。また唸った。

 

さらに海を見ながら、市場で買った新鮮ないちじくを食べた。これが幸福というものですか。青い空、青い海、熟れたいちじく。

 

ライブ後どこも予約でいっぱいで、なんとか滑り込んだ適当な居酒屋でさえも食のクオリティが明らかに一線を画していて新潟の地力に慄く。

 

そこで適当に頼んだ「あべ」という地酒があまりに美味しくて、お土産にぜひ買って帰ろう!と決意するも、人気でなかなか手に入らない&買えるところがないと東京に帰り際に知る。無念。(無知すぎて全然知らなかった)

 

プール納め、今年もよく泳いでよく食べた

友達と早朝にプールに集合して、泳いだ後にプロテインを飲んで、そして東京で一番お気に入りの神楽坂のお店でご褒美ランチ。堂々とお肉2倍盛りを頼んだ。今年は本当によく泳いで、そしてそれとセットでよく食べた。今後、水泳のことを考えたり話を聞いたりするだけでお腹が空く馬鹿なパブロフの犬になってしまうのではと心配。人間の矜持を保ちたい。

そういえば、泳いでも泳いでなくてもごはんのこと考えてたわ

 

ひさしぶりの美術館「ルイーズ・ブルジョワ展」

美術館に行きたいな〜〜という気持ちが数億年ぶりに湧いてきて自分でも驚いた。その自分の中の儚くてかよわい、何より超レアな感性の火を守らねば…!という使命感に駆られ、六本木まで出向くのは面倒ではあったが、ルイーズ・ブルジョワ展に行ってきた。

全然知らない人なのに、見ているだけで、その痛みや苦しみが伝わってくるような、叫びが聞こえてくるような、そんな展示だった。こちらまでずっとヒリヒリ痛くて、抱きしめてあげたくて、だからこそタイトルにもなっている「I HAVE BEEN TO HELL AND BACK. AND LET ME TELL YOU, IT WAS WONDERFUL.」という言葉の血を流した人間だけに語りうる鮮やかでチャーミングな力強さといったらもう。

 

ホテルニューオータニの新・最強の朝食

友達が誘ってくれたうえに予約も取ってくれたので、噂の(知らなかったけど)「新・最強の朝食」へ。流石に気軽な値段ではないので、気合を入れて早起きして最寄りのコンビニでゆでたまごをひとつお腹に入れ、数駅前で降りてウォーキングしてから臨むというバイキングへの誠心誠意の向き合いを見せつけた。

 

ぷりぷりと新鮮な歯応えのいくら、モーニングステーキ、ピエールエルメのパン、こんなに食べて貴族か?ってくらい取り揃えられた生のフルーツ、オレンジ生搾りのジュース。それらはホテル・ニューオータニの名に相応しい朝食であることは間違いないのだが、だからこそ期待を超えてくるってこともないのであり、「ホテルニューオータニの朝食」のそれ以上でも以下でもなく、正直なところ、「新・最強の朝食」という名前で勝っているところが多分にあるな〜〜というのが率直な感想。

あんまり美味しそうに撮れなかった

 

念入りな準備もあり、バイキングのパフォーマンスとしてはかなり好調な成績をおさめ、このぱんぱんなお腹、もうすぐ生まれてくるよ…などと軽口を叩いて乗り込んだ祝賀電車。自分で自分のキャパシティを狭めないように選んだワンピースにカーディガンという服装が暗にメッセージを発してしまい、座席の端に座られていた優しそうなおばさまにしっかり妊婦に間違えられ、席を譲っていただくという珍事が発生。

食べすぎた人が妊婦みたい〜〜とやるのは鉄板だが、本当に第三者に妊婦に間違えられたのは生まれて初めてで、別れたばかりの友達に即LINEして今年一番の「www」の乱れ打ちに勤しんだ。

世間はいつの間にかもう「www」ではなく「笑」の時代になってしまったよね。それでも尚、面白い話をするときはいつだって草が生えれば生えるほどいいんだ…という芝生育成会代表としての自負がわたしを駆り立てている。(後日友達にこのエピソードを話したら、「バイキング後に妊婦に間違えられることは、恥じゃなくてこの上ない名誉だよね?」と真顔で諭された)

 

今月の映画・音楽・本など

ふらっと映画館に行けるのは心の余裕がある証拠。今月はその真骨頂ということで、話題の新作を映画館で3本くらい見ることができて、とっても充実していた。部署の映画好きの先輩2人とのグループチャットで、よかった映画の情報交換をするのが楽しみになっている。みんなそんな忙しいのにいつ見てるの?という感じなのだけど。

  • ぼくのお日さま
    • どうしてこんなにうつくしい光を撮れるの?!ずっとうっとりしていた。想像よりほろ苦かったけど、あのあたたかい時間があってよかったと宝物のように思える幸福感。
  • 侍タイムスリッパー
    • 普通に面白かったけど、すでにかなり記憶から消えかかってしまっている…。低予算な良作!というのはその通りだけど、「カメラを止めるな」ほどの衝撃や印象はなかったかもしれない。
  • SUPER HAPPY FOREVER
    • いや〜〜〜安易によかったとか面白かったとか感想をまとめるのがとても難しいのだけど、いまだに思い出すとあの夏の感じの余韻が蘇る感じがする。お互いちょっと気になっている同士の空気感とか、気まずいお酒の席の居心地の悪い間とか、キャラクターの人間味とか、ものすごいリアルでうずうずした。海の匂いとか音とか、自分で体験したくらいに染み付いてて、見て1ヶ月経ってもそのときの情景や気持ちが浮かんでくるのは、いい映画だったんだなと思う。

 

back numberのライブの最後の曲は渾身の「バンド」で、10月はたびたび聞き返していた。

バンド

バンド

  • back number
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

あと、「ぼくのお日さま」はエンドロールが素晴らしくて、ハンバートハンバートの同名主題歌もよく聞いていた。

ぼくのお日さま

ぼくのお日さま

  • ハンバート ハンバート
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

今月の美味しかったものたち

渋谷のビストロ・ペリメニペリメニとはロシアの水餃子的な郷土料理らしく、皮がもちもちしていて食べ応えがある。お肉や海老などの餡の旨みと合わさった間違いのない味わいで止まらず、3人で5皿くらい食べちゃった。

 

先輩に初めて連れてっていただいた天壇ランチ。お肉をやさしい出汁で食べるという初めての体験。これが天下の天壇か…と唸った。いくらでも食べられるし、いくらでも食べさせてほしい。

日だまり色の出汁

ずっと気になっていた神保町はビストロアリゴ。みんながみんなご機嫌に食べてワインを飲んで陽気に笑っている空間、明るい光だな〜〜と思う。美味しかったのはもちろんのこと、なんか元気出た。

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こちらもずっと気になっていたユッケランチが有名な中目黒のushicoco。大行列という噂を聞いて開店20分前から意気揚々と並んだのに、待っているのはわたしひとり、なんなら回転してもお客さんはわたしひとり(後からちらちら入店していたけど)という気合いの空振り状態で若干恥ずかしかった。

 

虎ノ門のおしゃれなビストロ。醤油漬けのぷりぷりの小魚 on バゲット、そして、新鮮なマッシュルームにカラスミ!頑張れば自分でも再現できそうだけど、絶対に思いつかない組み合わせ。嬉しい出会いだった。ワインにぴったりで、こういう小料理を家でできたらわたしのQOLはさらに鰻登りになっちゃうと思う。登りたい、登りたいよ。

 

行きつけの喫茶店のいちじくタルト。とんでもなく隙のない味というだけでなく、この宝石のような輝き、このうつくしさ!来年の秋も絶対にもう一度お目にかかりたい。ああ今年の秋もよく食べた!

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